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「小槌〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

小槌の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
桃太郎」より 著者:芥川竜之介
のですか?」 「あるどころではない。何でも好きなものの振り出せる打出《うちで》の小槌《こづち》という宝物さえある。」 「ではその打出の小槌から、幾つもまた打出の....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
裁の手を尽した小庭を通って、庫裡に行く。誰も居ない。尾の少し欠けた年古りた木魚と小槌が掛けてある。二つ三つたゝいたが、一向出て来ぬ。四つ五つ破れよと敲く。無作法....
近世快人伝」より 著者:夢野久作
おっさんのガッチリして御座るのには呆れた。両方儲かる話が、わからんチウタラ打出の小槌でたたいても銭の出んアタマや……ハハン。買うて下はらぬ位なら他の店へ行くわい....
銀座アルプス」より 著者:寺田寅彦
の営みにせわしそうである。 高い建物の出現するのははなはだ突然である。打ち出の小槌かアラディンのランプの魔法の力で思いもよらぬ所にひょいひょいと大きなビルディ....
十二支考」より 著者:南方熊楠
これは罪人を槌で打ち罰した神らしい。『梅津長者物語』にも大黒天が打出《うちで》の小槌で賊を打ち懲らす話がある。古エトルリアの地獄神チャルンは巨槌で亡魂どもを打ち....
十二支考」より 著者:南方熊楠
』には鼠三郎、野らねの藤太等の賊が長者の宅を襲うと、大黒真先に打って出で打ち出の小槌《こづち》で賊魁《ぞくかい》を打ち殺す事あり。これでは大黒時に鼠や賊を制止|....
坂田の場合」より 著者:豊島与志雄
いんだ。」 「どうしてです。初めから、お伽噺だといってたじゃありませんか。打出の小槌だといってたじゃありませんか。小槌そのものは架空の観念でも、打出される小判は....
一寸法師」より 著者:楠山正雄
なりました。 一寸法師はその槌を手に持って、 「これは鬼の忘れて行った打ち出の小槌です。これを振れば、何でもほしいと思うものが出てきます。ごらんなさい、今ここ....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
は坊ちゃんは海表の世界から縁あって、鶴見に授けられたものとする。坊ちゃんは打出の小槌を持って来る。そして無心で、いろいろの宝を、その小槌から打出しては、それを惜....
文づかい」より 著者:森鴎外
。芝生のところどころに黒がねの弓伏せて植えおき、靴のさきもて押えたる五色の球を、小槌ふるいて横ざまに打ち、かの弓の下をくぐらするに、たくみなるは百に一つを失わね....
南国太平記」より 著者:直木三十五
朝、明けきらぬうちに、南玉、いつでもよいのう」 「この張扇一本、打出《うちで》の小槌《こづち》みてえなものでげす」 「庄吉の用意は?」 「先生、ちっと、申しにく....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
てそうは行かない。処を好き自由に抱こに及んで、夜の明けるまで名代なしだ。竜宮から小槌を貰ったって、振っても敲いても媽々は出ねえ。本来なら龕に納めて、高い処に奉っ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
で、あらかじめ、選りすぐった一流どこの美妓が首をそろえていた。――西施、小観音、小槌、おだまき、獅子丸、於呂知、箱根、沖波などという白拍子名をそれぞれに持ってお....
私本太平記」より 著者:吉川英治
たちがこぼれ出て来た。鎌倉一流の白拍子たちである。西施、小観音、おだまき、箱根、小槌、獅子丸などどれひとり道誉と馴じみ少ないものはない。わけて白拍子茶屋の白龍は....
母の手毬歌」より 著者:柳田国男
の神さまのめぐみを受け、またはふしぎの幸運によって、思うことのなんでもかなう打出小槌という宝物を手に入れる。それで地をたたいて、まず食べ物や着物を打ち出し、つぎ....