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小母
「小母〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
小母の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
けるかさえ考えはしなかったのだが、欠席届を書き終えた時、保証人なる槍田氏は三隅の
小母さんの知り合いだから、通知かたがた三隅家に立ち寄ってその判を貰うように頼もう....
「二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
の少年では防ぎがたい。おつかいものは、ただ煎餅の袋だけれども、雀のために、うちの
小母さんが折入って頼んだ。 親たちが笑って、 「お宅の雀を狙えば、銃を没収する....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
。」 縋って頼むように仇なく云って、しっかり格子に掴まって、差覗きながら、 「
小母さんでも可いわ。」 我を(
小母さん)にして髪を結って、と云われたので、我な....
「爆薬の花籠」より 著者:海野十三
、曲馬団の衣裳や道具なんかが、ばらばらと落ちたんですって、あたしあの翌朝、浅草の
小母さんところを早く出て、曲馬団へかけつけたんだけれど、工場の前でうろうろしてい....
「絵本の春」より 著者:泉鏡花
」 と、手拭で頬辺を、つるりと撫でる。 「あッ。」 と、肝を消して、 「まあ、
小母さん。」 ベソを掻いて、顔を見て、 「御免なさい。御免なさい。父さんに言っ....
「四次元漂流」より 著者:海野十三
子で現われて、道夫がいつもなぐさめにきてくれることを感謝した。 (ふうん、すると
小母さんは昨夜の怪しい首のことを、まだ知らないのだな) と道夫はそう思った。知....
「若菜のうち」より 著者:泉鏡花
らび――……小さなのでもいいの、かわいらしい、あなたのような。」 この無遠慮な
小母さんに、妹はあっけに取られたが、姉の方は頷いた。 「はい、お煎餅、少しですよ....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
「ねえ、お稲さん、どうするの。」 とまた優しく聞いた。 「どうするって、何、
小母さん。」 役者は、ために羽織を脱いだ御贔屓に対して、舞台ながらもおとなしい....
「縁結び」より 著者:泉鏡花
その白い顔を包んで、消えそうな後姿で、ふるえながら泣きなすったっけ。 桑の実の
小母さん許へ、※さんを連れて行ってお上げ、坊やは知ってるね、と云って、阿母は横抱....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
ればわれその女房とはまだ新らしき馴染なれど、池なる小魚とは久しき交情なりき。 「
小母さん
小母さん」 この時髪や洗いけん。障子の透間より差覗けば、膚白く肩に手拭....
「露肆」より 著者:泉鏡花
采を、時々、水牛縁の眼鏡の上からじろりと視めるのが、意味ありそうで、この連中には
小母御に見えて―― 湯帰りに蕎麦で極めたが、この節|当もなし、と自分の身体を突....
「多神教」より 著者:泉鏡花
お庭の掃除をして、どんなにお喜びだか知れません――姉さん……(寂く微笑む)あの、
小母さんがね、ほんの心ばかりの御褒美をあげましょう。一度お供物にしたのですよ。さ....
「夫人利生記」より 著者:泉鏡花
時、小児はわなわなと手足が震えた。同時である。中仕切の暖簾を上げて、姉さんだか、
小母さんだか、綺麗な、容子のいいのが、すっと出て来て、「坊ちゃん、あげましょう。....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
君と仲良くなり、逢引きがばれて、鉄嶺を逃げ出し上海に流れた。上海で、通称“神戸の
小母さん”という女顔役の世話にもなった。上海で東亜同文書院の向かいの中華そば屋に....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
て行く」のであった。奥に寝ていた少女が泣出す。誰かが行って尋ねて見ると「知らない
小母さんが来て抱くから嫌だ……」とて、それからはどうしても一人で本堂に寝ようとは....