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小気味
「小気味〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
小気味の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
て消えてしまった。葉子は木部のあわてかたを見ると、車内で彼から受けた侮辱にかなり
小気味よく酬《むく》い得たという誇りを感じて、胸の中がややすがすがしくなった。木....
「或る女」より 著者:有島武郎
それまでには古藤は長い間忍耐して待たなければならないだろう、そう思って葉子は一面
小気味よくも思った。
こんな目で古藤は、明らかな疑いを示しつつ葉子を見ながら、....
「夜行巡査」より 著者:泉鏡花
意《まま》にならないのが浮き世ってな、よくしたものさ。おれという邪魔者がおって、
小気味よく断わった。あいつもとんだ恥を掻《か》いたな。はじめからできる相談か、で....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
った手製のスケッチ帳が三冊、きりきりと棒のように巻き上げられたのが出て来た。私は
小気味悪い魚のにおいを始終気にしながらその手帳を広げて見た。 それはどれも鉛筆....
「カンカン虫殺人事件」より 著者:大阪圭吉
バルブも開いて、吸い込まれて面喰った魚を渠底のコンクリートへ叩き付け始めた。その
小気味良い景色にうっとり見惚れていた私の肩を、喬介が軽く叩いた。 『君。船の入渠....
「爆薬の花籠」より 著者:海野十三
塗料の棒に見入るトラ十のからだに、わずかの隙を見出したのであった。帆村の鉄拳が、
小気味よく、トラ十の顎をガーンと打った。 「えーッ!」 「しまった。うーん」 ....
「火星兵団」より 著者:海野十三
火星兵団の本隊のいる方へ、かじをとってにげだそうとした。
「待て、にがすものか」
小気味よい追撃で、その一台もとうとう黄いろい煙をふきだして下界へ……。
....
「人造人間エフ氏」より 著者:海野十三
でおわれば、まだいいのであるが、イワノフ博士は、手を縛られていながら、さっきから
小気味よげに、(今にごらんなさい。もっともっとたいへんなことが起るから……)と、....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
一家一族皆殺しだ。すぱり、すぱり」 趙家が掠奪に遭ってから、未荘の人は大抵みな
小気味よく思いながら恐慌を来した。阿Qもまたいい気味だと思いながら内々恐れている....
「頭髪の故事」より 著者:井上紅梅
ゆく。わたしはこれらの事を記念するに堪えない。それよりもわたしは今だに覚えている
小気味のいい話をして聞かせよう」 Nはたちまち笑顔になり、手を伸ばして自分の頭....
「風波」より 著者:井上紅梅
慢不遜の態度を示していたが、これは実に不埒なことで、今度の犯法についてもいくらか
小気味好く思われた。彼等は何か議論を吐いてみようとしたが、議論の根拠がないので、....
「橋の上」より 著者:犬田卯
テッキが自分の頭上か、肩先かへ落ちるような気がしたのだ。 さぶちゃんの一味は、
小気味よさそうに、圭太の前後に立ち塞がった。 「いいか、こら!」とさぶちゃんは言....
「J・D・カーの密室犯罪の研究」より 著者:井上良夫
小説に扱われた密室犯罪の様々を分類発表してみせてくれている。読んでいても如何にも
小気味よい態度であるが、同作品を貫く眼目が密室犯罪の解決に全然新しい思い付きを見....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
四巻に載っておる。)あるいは前人未着手でないかも知れぬが、これほど巧みにこれほど
小気味|能く窮所を穿ったものは恐らく先人未言であったろう。二葉亭の直覚力と洞察力....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
ったが、あらゆる旧物を破壊して根底から新文明を創造しようとした井侯の徹底的政策の
小気味よさは事毎に八方へ気兼して※咀逡巡する今の政治家には見られない。例えば先祖....