小汚い[語句情報] » 小汚い

「小汚い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

小汚いの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
新世帯」より 著者:徳田秋声
も、どんなに張合いがあって面白いか。あの女なら請け合って桝新のお釜を興しますと、小汚い歯齦に泡を溜めて説き勧めた。 新吉は帳場格子の前のところに腰かけて、何や....
死までを語る」より 著者:直木三十五
分にやって行けた。 この下宿へ落ちついたが、下宿から、中学の庭を透して見える、小汚い生垣の、傾いたような家が、夏目漱石氏の旧居で「猫」は、あすこで書いたんだよ....
マクシム・ゴーリキイの伝記」より 著者:宮本百合子
来ること。これらの仕事が、玄関番の役の上に加るのであった。主人はずんぐりな、眼の小汚い男で、よくゴーリキイをたしなめた。 「ほら、また腕なんか掻いてる! お前は....
雪たたき」より 著者:幸田露伴
、それを道の左の広みの方へかなぐり捨てざまに抛って了った。如何にも其様な悪びれた小汚い物を暫時にせよ被ていたのが癇に触るので、其物に感謝の代りに怒喝を加えて抛棄....
野道」より 著者:幸田露伴
とは有るまい、最後はそれだ、と腹の中で定めながら、なお四辺を見て行くと、百姓家の小汚い孤屋の背戸に椎の樹まじりに粟だか何だか三四本|生えてる樹蔭に、黄色い四|弁....
お久美さんと其の周囲」より 著者:宮本百合子
信州の生れだと云う彼の来たのは去年の春であった。 紺の股引きに破れ絆纏ばかりの小汚い者を見つけて居るお関の目には、麦藁帽子を軽く阿彌陀にかぶって白い上下そろっ....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
まとっているようである。伊勢は海から。実にその感が深い。他の土地に於ては、漁村は小汚いものである。伊東などは漁場のうちでは相当に富裕な方に思われるのだが、漁師町....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
、寒冷紗の裏へ黄土を塗って地獄変相図を極彩色で描いた。尤も極彩色といっても泥画の小汚い極彩色で、ことさらに寒冷紗へ描いた処に椿岳独特のアイロニイが現れておる、こ....