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「小男〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

小男の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
報恩記」より 著者:芥川竜之介
っているものはありません。わたしが遇《あ》った贋雲水《にせうんすい》は四十前後の小男です。が、柳町《やなぎまち》の廓《くるわ》にいたのは、まだ三十を越えていない....
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
掴んで不意にひき戻した者があった。 「これ、待て」 それは下部《しもべ》らしい小男であった。くずれた堤の上にはその主人らしい男が立っていた。もう争うほどの力も....
人間灰」より 著者:海野十三
あ、これはどうも……」 と、先に立った頤髭のある土色の顔に部厚の近眼鏡をかけた小男が奇声でもって挨拶をした。それは工場主である理学博士|赤沢金弥と名乗る人物だ....
灯台鬼」より 著者:大阪圭吉
の男に出会った。灯台の三田村無電技手と小使の佐野だ。 「……あ、皆様……」 と小男の小使は、わたし達を認めると、すぐに走り出て声をかけた。 「これはこれはよく....
とむらい機関車」より 著者:大阪圭吉
通用っていました。で、後の一人は、機関助手の杉本福太郎と言うまだ三十に手の届かぬ小男でして、色が生白く体が痩せていて、いつも鼻の下にまるで「オサ泉」の髭の様に、....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
その翌年になって、賊は紹興地方で捕われて、逐一その罪状を自白したが、かれは案外の小男であった。彼は当夜の顛末についてこう語った。 「最初に城内に入り込みまして、....
少年探偵長」より 著者:海野十三
、いったいどうなるのであろうか。 秘密の抜け穴 (われらの首領というのは、小男であったのか!) 机博士は、その意外に心をうたれ、危険の中に、しばらくぼん....
かんかん虫」より 著者:有島武郎
ら輸入する巻煙草の大箱を積み重ねた蔭に他の労働者から少し離れて、上向きに寝て居る小男であった。何しろケルソン市だけでも五百人から居る所謂かんかん虫の事であるから....
貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
のその肩が、びくびくと、震え、震え、脊丈は三尺にも足りまい。小児だか、侏儒だか、小男だか。ただ船虫の影の拡ったほどのものが、靄に沁み出て、一段、一段と這上る。…....
太平洋魔城」より 著者:海野十三
しゃくしゃしながら自分の部屋へかえった。腰骨のところもいたいが、それよりも、あの小男の太刀川にとっちめられたことが、しゃくにさわってならないのだ。彼はつよい酒を....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
ような眼をして、薄気味の悪い微笑を浮かべて、木乃伊のような顔色をしている、痩形の小男を想像してごらんなさい。さらに彼はその髪に古風な高い髢を入れて、その先きをう....
豆腐買い」より 著者:岡本かの子
は は は。 「おばさんひらけたのね」 そこへ洋服に鞄を抱えて気が重そうな若い小男が入って来た。 ――お前さん、お帰りかい。あなた、これがうちのです。 その....
三枚続」より 著者:泉鏡花
官の一群が飲んでいた。 此方に、千筋の単衣小倉の帯、紺足袋を穿いた禿頭の異様な小男がただ一人、大硝子杯五ツ六ツ前に並べて落着払った姿。 時々|髯のない顔が集....
式部小路」より 著者:泉鏡花
た瀬戸物の床几に腰をかけて、葉色の明りはありながら、茂りの中に、薄暗く居た一人の小男。 紅葉の中に著るく、まず目に着いたは天窓のつるりで、頂ャ兀げておもしろや....
白い影」より 著者:小川未明
くばかりの体でのそりのそりと、真昼の線路を歩いたものであるが、街に入ってからは、小男となって、晩方から夜にかけて、多く人混みの中に出かけるようになりました。それ....