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「小癪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

小癪の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
くはありませんから」 と話を結んで古藤は悲しいような表情をして葉子を見つめた。小癪《こしゃく》な事をいうもんだと葉子は心の中で思ったけれども、指先でもてあそび....
星座」より 著者:有島武郎
張している彼には(そして彼は十七歳の時から立派に純潔を踏みにじってきているのだ)小癪《こしゃく》にさわった。それにしても何んという可憐な動物だ。彼の酷《むご》た....
義血侠血」より 著者:泉鏡花
ひとつ泣き付いてみようかしらん。だめなことだ、あの老爺《おやじ》だもの。のべつに小癪《こしゃく》に障《さわ》ることばっかり陳《なら》べやがって、もうもうほんとに....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
そらく前にも云ったような理窟で、ふと摺れ違ったりした時に、向うで何か羨ましいとか小癪にさわるとか思って、じっと見つめると、すぐにこっちへ感じてしまうので、向うで....
耽溺」より 著者:岩野泡鳴
のを聴くと、僕が西洋人なら僕の教えた片言を試みるのだろうと思われて、何だか厭な、小癪な娘だという考えが浮んだ。僕はいい加減に見つくろって出すように命じ、巻煙草を....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
とばすので、夕刻まですっかり平磯館に閉じこめられてしまった。 ロケット弾を放つ小癪な敵機を見た。平磯館の裏は飛行場であるから、盛んに銃撃があった。しかしたいて....
無惨」より 著者:黒岩涙香
り又も詰所に帰りて帽子は鴨居に掛け羽織は着、手帳紙入は懐中に入れ又「フ失敬な―フ小癪な―フ生意気な」と続け乍ら長官荻沢警部の控所に行たり長官に向い谷間田は(無論....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
忘れて衝と進んだ。 「危え、危え、ええ危えというに、やい、小阿魔女め。」 「何を小癪な……チンツン」 と、目をぱっちり、ちょっと、一見得。 黒鴨の俥夫が、後....
西瓜」より 著者:岡本綺堂
彩が濃厚になったのだね。」 彼は無雑作に言い放って、又もや高く笑った。いよいよ小癪に障るとは思いながら、差しあたってそれを言い破るほどの議論を持合せていないの....
決闘場」より 著者:岡本かの子
邪険で、男達をわあーと後へ二三歩飛び去らせた。男達は息を呑んだ。でもワルトンは、小癪に触って不満そうに停って居るジョーンより前方へ進み出て、右腕を伸し人差指を剣....
取返し物語」より 著者:岡本かの子
もねえ。琵琶湖の浪で鍛え上げた腕節。押しても通るが、それで承知か』 法師達『何を小癪な』 (源右衛門と法師達と睨み合って詰め寄る。朝の勤行を終え、衆僧を従えて門....
百喩経」より 著者:岡本かの子
。わたしはそのまま袖のなかへすべり込ませた。安っぽい銀簪。なんだ菊が彫ってある。小癪にも籬が彫ってある。汚い油垢が溜って居る。それで居て、これを見ると恋しいのは....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
いか。わたくし決して諄うは申しませぬ。何事もお前さまのお心に問うて御覧じませ。」小癪なことをと言いたそうに、師直は大きい眼を屹と見据えたが、その顔にはさすがに一....
三枚続」より 著者:泉鏡花
早いや親方、誰も権太左衛門に母親が斬られたとは言やしません、私あ親の敵と思う位、小癪に障る奴が出来たッていうんです。」 「はてな。」 「それでね、出来るものなら....
春泥」より 著者:久保田万太郎
れは、あのじゞい、慾張っちゃァいる、こすッからくは出来ている。……随分、ふてえ、小癪に障る、それこそ人の小股をすくうようなことばかり始終しちゃァいるが、もと/\....