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「小百姓〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

小百姓の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
義民甚兵衛」より 著者:菊池寛
ちらじゃ。 おきん (震えながら)へえい、へえい。同心でございますとも。わしたち小百姓には、救いの神様でござります。ありがとうございます。おありがとうございます....
千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
が子供|相撲に弓を取った自慢話なぞを始める。 そこは下層の労働者、馬方、近在の小百姓なぞが、酒を温めて貰うところだ。こういう暗い屋根の下も、煤けた壁も、汚れた....
丹下左膳」より 著者:林不忘
耳を!」 どこ吹く風かと、対馬守はつづける。 「ところが、五石七石の田畑もちの小百姓はむろんのこと、田畑を多く持っている者も、馬を飼っている者は非常に少ない。....
河沙魚」より 著者:林芙美子
台あったのを、与平は自分のを売って金に替《か》えて、千穂子に持たせた。土地もない小百姓だったので、現金も案外持ってはいなかったし、与平にとっては、自分の貯《たく....
猫車」より 著者:宮本百合子
ら、その雰囲気に馴れているお縫には、坂口の爺さんのとりなし万端がいかにも山の中の小百姓らしいしみったれ工合に映るのであった。 お縫は、褪《さ》めた潮染の身ごろ....
十二支考」より 著者:南方熊楠
その偶合がちょっと不思議だ。 鶏を入れた笑談を少し述べると、熊野でよく聞くは、小百姓が耕作終って帰りがけに、烏がアホウクワと鳴くを聞いて、鍬《くわ》を忘れたと....
少年の死」より 著者:豊島与志雄
の手ではどうすることも出来ない運命の働きであったらしい。 庄吉は巣鴨の町外れの小百姓の家に生れて育った。三つの時に母を失い、九つで父に死なれたので、彼はその時....
私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
望む者の多きは歎かわしき限りである。 ここに当店へ出入りの油屋、彼はもと越後の小百姓であったが、地主へ奉公するも一生開運の見込みなきところから、夫婦相携えて他....
明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
派なのは道場だけで、豪農でもなく、中農ですらもない。小部屋が四ツあるだけのただの小百姓にすぎないということも、おのずからに全てが保存される原因であったかも知れな....
学問のすすめ」より 著者:福沢諭吉
度を重ぬれば、人民の出金一人前百文に当たり、家内五人の家なれば五百文なり。田舎の小百姓に五百文の銭あれば、妻子打ち寄り、山家相応の馳走を設けて一夕の愉快を尽くす....
ムツェンスク郡のマクベス夫人」より 著者:神西清
お前さんの考えは、なあ若えの、どうやらまっとうじゃねえぜ」と、粉を袋へ移していた小百姓が言った、――「おいらにさ、なんの目方がかかるもんかね? 目方のかかるのは....
俳人蕪村」より 著者:正岡子規
狐追ふ声や麦の秋 狐火やいづこ河内《かはち》の麦畠 麦秋《むぎあき》や狐ののかぬ小百姓 秋の暮仏に化《ばけ》る狸《たぬき》かな 戸を叩《たた》く狸と秋を惜みけり....
母の手毬歌」より 著者:柳田国男
または分けられる物ならば半分ずつ両端につけて、まんなかをかたげているのが、作男や小百姓の常の出立ちであったともいわれている。ところが、いつの間にかそれもまた変っ....