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「小社〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

小社の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
畜犬談」より 著者:太宰治
器を持たぬ繊弱の小禽《しょうきん》ながら、自由を確保し、人間界とはまったく別個の小社会を営み、同類相親しみ、欣然《きんぜん》日々の貧しい生活を歌い楽しんでいるで....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
「ホウ、ただ飲み、ただ取りだ。」 と言うものさえある。 村のものは、氏神諏訪小社の改築も工事落成の近いのに事寄せて、にわかに狂言の催しまでも思い立った。気の....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
の別れ路に立つ彼半蔵のようなものもある。 四 飛騨国大野郡、国幣小社、水無神社、俗に一の宮はこの半蔵を待ち受けているところだ。東京から中仙道を通....
不尽の高根」より 著者:小島烏水
の六月|朔日には、市中と郊外にある富士山の形に擬えた小富士や、富士権現を勧請した小社に、市民が陸続参詣した。駒込の富士から神田明神、深川八幡の境内、鉄砲洲の稲荷....
子供・子供・子供のモスクワ」より 著者:宮本百合子
ない筈である。何故ならソヴェトは最近年にほぼ三百万人――総人口に対する三分の率で小社会人を増殖しているのだから。おどろくべきは、日本に於て年七八十万人ずつの赤坊....
世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
だが実は社会は決して単元的なものではなかった。第一に全体社会の内にはいくつもの小社会が並立しているのであり、第二にそのどれか一つの小社会が社会全体に対する関係....
死者の書」より 著者:折口信夫
ます。 めっそうな。きまって、誇張した顔と口との表現で答えることも、此ごろ、この小社会で行われ出した。何から何まで縛りつけるような、身狭乳母に対する反感も、此も....
餅を喫う」より 著者:田中貢太郎
ちょうど六日比の月が入りかけている時で途は明るかった。町外れの五六本の木の生えた小社の前まで来ると、すぐ路傍に沿うて馬方などが時どき馬を繋いでいる木の根本の暗い....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
して異曲同工なのであります。 暴女王は専制の王国を打立て、力を以て、思い通りの小社会を作ろうとして失敗しました。 駒井甚三郎は、力を以てせずして、自由を以て....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
のであります。それかあらぬか、同地の神明社内には現に小桜神社(通称若宮様)という小社が遺って居り、今尚お里人の尊崇の標的になって居ります。 次に当然問題になる....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
範囲や、彼の細君が属してるごく狭小な一団は、ことに謹厳な新教《プロテスタント》の小社会に属していた。クリストフはこの社会では、生まれはローマ教徒であり事実は無信....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
てあまりアカデミックではない。その一例をあぐれば、この喧騒《けんそう》な少年らの小社会におけるマルス嬢の評判は、一味の皮肉さで加味されていた。浮浪少年は彼女のこ....
芸術と数学及び科学」より 著者:三上義夫
れた苔むすお宮に参詣して見ても、はなはだ森厳な霊気に打たれる。たとい一坪か半坪の小社といえども、前を通れば自然に頭も下げたくなる。その社殿の構造、樹木の配置等に....
宇賀長者物語」より 著者:田中貢太郎
面した田圃の中には、その趾だと云う蓮の生えた小さな池があって、そこに三人を祭った小社があった。私の記憶では社は二つあったように思われる。一つは縁切りの神とせられ....
ある神主の話」より 著者:田中貢太郎
た。 夕陽の中を蜻蛉が二つ三つ飛んでいた。石磴をあがり詰めると檜の香の紛紛する小社があった。勘作はその前に往って頭をさげて拝んだ。 「勘作か、よう来た」 そ....