小突く[語句情報] »
小突く
「小突く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
小突くの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
な癖に勘弁《かんべん》してやらないのが悪いんです。」
母は洋一をかばいながら、
小突くように兄を引き離した。すると兄の眼の色が、急に無気味《ぶきみ》なほど険しく....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
さんは。」 と背中を推着いて、たった今まで味方に頼んだのを、もう目の敵にして、
小突く。 お蔦は病気で気も弱って、 「遠慮しましょうかね、」と柔順しく膝の上へ....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
島」の博物園では十六世紀のお寺と、お寺の日時計・砂時計・礼拝中に居眠りするやつを
小突くための棒・男たちの wicked eye から完全に保護されている女だけの....
「海亀」より 著者:岡本綺堂
かりだ。さあ、その時……。僕も見た……。僕も見た。」 清は僕の腕をつかんで強く
小突くのだ。ちょうど美智子が彼の手を掴んだように……。僕は小突かれながらも慌てて....
「ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
、何時の間にか着ちまってる、何という魔ものだ。 女は口惜しがる度に小田島を強く
小突く。彼は暴戻な肘で撃れる度に、何故かイベットの睫の煙る眼ざしを想出す。 ――....
「父」より 著者:矢田津世子
うなのを頭の上へのせてみせると、 「まあ飯尾さんは」と母は面映い仕草で飯尾さんを
小突くようにした。それからひとしきり飯尾さんの手振り身振りで幼友達の噂話などが出....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
ブルにすわりながら、手は物を書き続けている。だから手ではなく、テーブルの下の足で
小突くだけである。やっている自身、やっているとは意識していないのかもしれぬ。だが....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
あさあ向う河岸へ渡んな、向う河岸へ」 きたない物でも退けるように、六尺棒の先で
小突くと、そいつをつかんで、唐突に、 「おいッ、お、おれは、森啓之助だよ……」 ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
白刃の中に悄然とかこまれていた。 「能登。申せ」 悪四郎がそういって、彼の背を
小突くと、能登は二、三歩よろめき出て、さてそれから、泥土のようなその面を、重たそ....
「俗臭」より 著者:織田作之助
が与えられた。が、彼は恐しく無口な人である。市治郎の妻はしきりに夫の脇腹の辺りを
小突くのだが、彼は冥想に耽っていた。言うべき言葉を探しているのだ。歯がゆい程であ....