小縁[語句情報] » 小縁

「小縁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

小縁の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
幻談」より 著者:幸田露伴
《とも》の方へ出まして、そうして大きな長い板子《いたご》や楫《かじ》なんぞを舟の小縁《こべり》から小縁へ渡して、それに腰を掛けて、風の吹きさらしにヤタ一《いち》....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ゃねえか。何ということだ。呆れてしまった」 兼吉は罵るように云いながら、火鉢の小縁で煙管をぽんぽんと叩くと、文字春の顔の色は灰のようになった。 「どうしたんで....
二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
つつ、私たちは飽かずに視めた。 あとで、台所からかけて、女中部屋の北窓の小窓の小縁に、行ったり、来たり、出入りするのは、五、六羽、八、九羽、どれが、その親と仔....
荷花公主」より 著者:田中貢太郎
ら手紙がきたから、僕はこの間中、君の居所を捜していたのだよ」 その時、舟と舟の小縁がくっつくようになって、彭と友人とは手を握れそうになった。 「それはすまなか....
丹下左膳」より 著者:林不忘
なければならないのだろうねえ」 と、今もお蓮様は、柿の枯れ葉の吹きこむ百姓家の小縁側《こえんがわ》に立って、ひとり言のようにつぶやいた。 折り重なる日光の山....
部屋」より 著者:宮本百合子
となどそれこそうちでは大禁物なのであった。七号、八号と、ややよい部の部屋が並んで小縁をひかえている。障子の前まで来は来たが、百代は障子をすらりと、こわいようであ....
丹下左膳」より 著者:林不忘
」 「ほ! 石川どのは、まだだったかな」 この主水正の声と同時に、障子のそとの小縁に、前髪立ちの取次ぎの影がさして、 「御家老さまに申しあげます」 「なんじゃ....
後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
\」 と急き立てゝ海岸へ出て見ますと、舟がございます。只今申上げましたカノウの小縁に取付きました。その手を件の島人が木刀を振上げて打とうと致しますから、文治は....
水面に浮んだ女」より 著者:田中貢太郎
舟の傍には二三人の人夫の頭が浮いた。平兵衛の舟へはその二つの頭が近づいて来て舳の小縁へその手がかかった。下から来た舟の方へも二つの頭が近づいていた。平兵衛は平三....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
ません! いいかけた終りの一言は、胸に抑えて、すぐ懸命に身づくろいを直し、舟の小縁に縋りながら、這うように岸へ自分で上がって来た。 「…………」 城太郎は、....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
」 「はい」 「貴様、たずねているのか」 「いかにも」 と弦之丞が、ふと天蓋の小縁をあげて、その侍の顔を覗いた刹那である。 ほとんど、双方が一緒に、 「おお....
雑木林の中」より 著者:田中貢太郎
った。 「汚いのですけれど」 女は歩いて往って見附の障子を開けた。左側に小さな小縁が見えてそこに六畳ぐらいの室があった。右側は台所になって、その口の処に一枚の....