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小脇差
「小脇差〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
小脇差の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
無体に森松とおかやが手を把《と》って次の間へ連れて参ります。文治は左の手にあった
小脇差を右の手に持替えて奥座敷へ入りますから、 森「旦那え/\」 文「なんだ....
「阿部一族」より 著者:森鴎外
免《ゆる》されていた。当代に追腹《おいばら》を願っても許されぬので、六月十九日に
小脇差《こわきざし》を腹に突き立ててから願書を出して、とうとう許された。加藤安太....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
出したのは、それらを引き出物の景物にするらしく、先ず第一に太刀がひと口、つづいて
小脇差が二腰、飾り巻の弓が三張り、それに南蛮鉄の鉄扇五挺を加えて都合十一品でした....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
えますから、 林「何をなさいます」 と云う所を、押倒しざま林藏が差して居ました
小脇差を引抜いて咽笛へプツーリ突通す。 林「ウワー」 と悶掻く所を乗掛って、 ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
行った。抜き打ちに敵の小手に斬りつけた。あいにくと少年のことで、一尺八寸ばかりの
小脇差しか差していない。その尖端が相手に触れたか触れないくらいのことに先方の浪人....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
う。彼らが祖先から受けついで来た武士だけが何の役にも立たなくなったのだ。それでも
小脇差《こわきざし》を腰につけ、す足に草鞋《わらじ》をはき、着物の尻をはしょって....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
ずくまり、様子を窺っている人影があった。 ソロリと立ち上がった姿を見れば、手に
小脇差しを引っ下げている。ベットリと血に濡れている。小褄をキリキリと取り上げてい....
「雪たたき」より 著者:幸田露伴
で。」 「フム――。……して浪人か町人か。」 「なりは町人でござりましたなれど、
小脇差。御発明なおかた様は慥に浪人と……」 問わるるままに女は答えた。それを咎....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
惣髪《そうはつ》を肩にかけ、下頤《したあご》に髯《ひげ》を生やし、黒木綿を着て、
小脇差を一本さし、首に輪宝《りんぽう》の輪袈裟《わげさ》をかけ、右の手に小さな錫....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
、地上には、雪が薄くつもっていて、人影は、ほのかに判っていた。
井上出雲守は、
小脇差を差し、笠と、蓑《みの》とに身体をつつんで、人目につかぬ脇道から、城下を離....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
ぽう行義あられの上下に、黒斜子の紋附を着、結構な金蒔絵の印籠を下げ、茶柄に蝋鞘の
小脇差を差して居りますから、年始帰りと見えます。 若「さア/\往こう、これから腹....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
っていた。駕かきも群衆も、同時に、ひっそりした。 「――武蔵!」 ばばは、腰の
小脇差へ左の手を当てて、こう呼びかけた。 先刻から武蔵はそこに黙然と立っていた....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
って、権叔父とともに追いついて来たお杉隠居はそのていを見ると、群衆を突きとばし、
小脇差のつかに手をかけて歯を剥いた。 「ええ、むごいことを、おぬしら何しやるのじ....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
せて、うッ伏していた。だが、ドンと降りてきたかれの足音に、ハッと顔をあげて、帯の
小脇差に手をかけた。 世阿弥のかたみ――新藤五|国光の刀へ。 と、周馬は、 ....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
」 「船大工が?」 「ヘエ、しかし、ひとつは、無銘の長い刀、ひとつは新藤五という
小脇差で、すばらしい名作、鑿や手斧なら知らないこと、船大工風情の手にある代物でな....