小腕[語句情報] » 小腕

「小腕〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

小腕の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
為私が馳け出そうとする所を、暗の中から死に際の声で、曲者と云って私の手を捕え左の小腕へ噛み附いたのがお紺でして、死に際の苦痛と云い殊には暗の中と云い人の差別も分....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
のを知って、かれは小屋の外にかくれて彼等の酔い倒れるのを待っていた。しかし自分の小腕で七人の男を刺し殺すことはむずかしいと思ったので、かれは俄かに松葉いぶしを思....
婦系図」より 著者:泉鏡花
んな処へ脱ぐんだもの。」 と躾めるように云って、お妙は上衣を引取って、露に白い小腕で、羽二重で結えたように、胸へ、薄色を抱いたのである。 「貴娘は、先生のよう....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
一刀流では天下の名人、松崎殿にも劣るまいが、その三男に産まれただけあって十二歳の小腕には過ぎた技倆、私も嬉しく頼もしく思う」 「お褒めにあずかり、有難う存じます....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
。 「うむ、兵馬を斬るか、兵馬に斬られるか……」 「それは――」 「まさか兵馬が小腕に斬られようとも思わぬ、毒を食わば皿までということがある、宇津木兄弟を同じ刃....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
はいつでも辞退はせぬ故、まず当分は腕を磨くがよかろうとそう申してくれ」 十七の小腕《こうで》を以て、我に尋常の勝負を望むとは殊勝《しゅしょう》に似て小癪《こし....
若菜のうち」より 著者:泉鏡花
で来たのを、衝と前へ出ると、ぴったりと妹をうしろに囲うと、筒袖だが、袖を開いて、小腕で庇って、いたいけな掌をパッと開いて、鏃の如く五指を反らした。 しかして、....
白金之絵図」より 著者:泉鏡花
の左右に散った。 思わず、ハッと吐息して、羽織の袖を、斉く清く土に敷く、お町の小腕、むずと取って、引立てて、 「馬鹿、狂人だ。此奴あ。おい、そんな事を取上げた....
南地心中」より 著者:泉鏡花
の背中へ掴まると、手水鉢の傍に、南天の実の撓々と、霜に伏さった冷い緋鹿子、真白な小腕で、どんつくの肩をたたくじゃないか。 青苔の緑青がぶくぶく禿げた、湿った貼....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
当て、額に当て、頬に当て、頬摺して、肩へかけ、胸に抱いた、その胸ではらりと拡げ、小腕を張って、目を輝かして身を反らし、 「さてこそさてこそ、この旗を所持なすから....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
ら。そら、な、可いか、黙って黙って。」 というと、また合点々々。よい、と圧した小腕ながら艪を圧す精巧な昆倫奴の器械のよう、シッと一声飛ぶに似たり。疾い事、但し....
黒百合」より 著者:泉鏡花
追い縋って、多磨太は警部長の令息であるから傍若無人。 「あれ、」と遁げにかかる、小腕をむずと取られた。形も、振も、紅、白脛。 二十八 「※、わはは....
南国太平記」より 著者:直木三十五
てきたことを、昔から、細かく想い出してみた。 庄吉は、自分の斬り落された右の小腕を、しっかと、左の手で掴んでいた。そして、掴まれている小腕は、又手函の書類を....
山吹」より 著者:泉鏡花
し急ぎ寄り、遮り止む)貴女、――奥さん。 夫人 あら、先生。(瞳を※くとともに、小腕しびれ、足なえて、崩るるごとく腰を落し、半ば失心す。) 画家 (肩を抱く)ウ....
活人形」より 著者:泉鏡花
しが、「じたばたせずにおいでなさい、という声しつ。今しがた見えずなりたる、美人の小腕を邪慳に掴みて、身を脱れんと悶えあせるを容赦なく引出しぬ。美人は両手に顔を押....