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小艇
「小艇〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
小艇の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「上海された男」より 著者:牧逸馬
。そして一方には其処に展《ひら》けかけた自由な海の生活があった。 「今水上警察の
小艇《ランチ》が橋を離れたから、もうおっつけ役人が来るだろう」 真蒼になって為....
「火薬船」より 著者:海野十三
ね」 「どうも、いまいましいあのノーマ号だ」 さだめし、ポーニンとノルマンは、
小艇をノーマ号の方へ走らせながら、たびたびくさめを催したことであろう。 そのポ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
隊ノ相分レテソノ捜索ニ従事スルコト五週間、或日ノ事数人ヲ載セタルすたんでつしゆノ
小艇ハ、じよん・すみすガぷりまうすト命名セシ港ニ入レリ。コレ即チ清教徒ガ新世界上....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
に色どられ、椰子に囲まれたコロンボの町が私の眼前に伸び上って来た。 水先案内の
小艇を抱くようにして、船は徐々に湾内へ進む。停泊中の軍艦、貨物船などの舷側に宝石....
「墓地展望亭」より 著者:久生十蘭
がら、口の中で、こんなふうに呟く。 「おれは、明日、あそこで、死ぬ」 ホテルの
小艇《キャノオ》が、あの岩のあたりまで漕ぎ出してゆく。一発の銃声が反響もなく空に....
「環礁」より 著者:中島敦
少々危いような気もした。というのは、おどけた海豚どもが調子に乗ってはしゃぎ廻り、
小艇の底を潜っては右に左に現れ、うっかりすると船が持上りそうに思われたからである....
「西航日録」より 著者:井上円了
とうそぶけり。十八日滞泊、十九日正午出帆、二十日朝門司着。哲学館出身者泉含章氏、
小艇をもって出でて迎うるあり。余これに移りて馬関に上陸し、泉氏の宅にて丘道徹氏お....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
すこぶる幽趣あり。 十二日、曇りのち雷雨。午前六時半、カントンへ着岸す。両岸、
小艇の群れをなして櫛比せるを見る。これ、その名の高きカントン水上生活の実況なり。....
「撥陵遠征隊」より 著者:服部之総
、忠清《ちゅうせい》道|牙山《かざん》湾の行担《ハンタン》島に投錨した。そこから
小艇に乗換えて插橋川《そうきょうせん》を遡行し、九万浦《きゅうまんほ》付近で上陸....
「三国志」より 著者:吉川英治
。 黄蓋の乗った旗艦には、特に「黄」の字を印した大旗をひるがえし、その余の大船
小艇にも、すべて青龍の牙旗を立てさせていた。 宵深まるにつれて、烈風は小凪にな....
「三国志」より 著者:吉川英治
ない。山の麓近くの江から忽然と喊声が起った。いつのまにか附近の蘆荻の陰から無数の
小艇があらわれ、呉の精猛が煙のように堤をこえて突貫して来る。まさに、魏の中軍へい....
「三国志」より 著者:吉川英治
これへ大量な魚油をかけておいて、こよい一度に火を放ったものであった。 魏の大艦
小艇などの何千艘は、両方の猛焔、波上を狂いまわる油の火龍に、彼方に焼け沈み、此方....