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「小藩〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

小藩の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
私の父と母」より 著者:有島武郎
い立ちは非常に不幸であった。父の父、すなわち私たちの祖父に当たる人は、薩摩の中の小藩の士で、島津家から見れば陪臣であったが、その小藩に起こったお家騒動に捲き込ま....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
て声をかけると、城中への案内を促しました。 2 石高はわずか三万石の小藩ではありましたが、さすがは天下の執権松平伊豆守の居城だけあって、とわに栄える....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
」 「いや、そうまあがみがみとことばにかどをたてるもんじゃござんせんよ。はかま大小藩士体のぐあい、のどをやられているぐあい、それに刻限のぐあいもよく似てはいます....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
――」 「内藤様のご家中か」 「あい、やまがらの名所でござります。わずか二万石の小藩ではござりまするが、武道はいたって盛ん、兄も志をいだいてこの江戸へ参り、伊東....
乱世」より 著者:菊池寛
農兵を募った。美濃の今尾、竹越伊予守の城下に達したときは、同勢七百人に近かった。小藩の今尾では、不意の官軍におどろいて、家老が城下の入口まで出迎えた。彼らは今尾....
金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
府県下を視察に廻った。奈良県下の郡山はわけて昔から金魚飼育の盛んな土地で、それは小藩の関係から貧しい藩士の収入を補わせるため、藩士だけに金魚飼育の特権を与えて、....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
。武田本陣にあてられた駒場の家で、土地の事情にくわしいこれらの人たちはこの先とも小藩や代官との無益な衝突の避けられそうな山国の間道を浪士らに教えた。その時、もし....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ではない。慷慨《こうがい》の気節もあり、縦横の奇才もないではないが、何をいうにも小藩の、小禄の家に生れたものだから、その生活の足し前として絵画を習い出したので、....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
、滑稽を引起すことも珍しくはない。いや、武術も少しやるにはやりました。拙者の藩は小藩ですからな、僅かに一万石の小藩ですから、家老上席になったところで九十石の身分....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
今も子供が言った一語、「折助言葉――」だけが、耳ざわりに残っている。身不肖にして小藩に人となり、田舎まわりの乞食絵かきのようなザマはしているが、未《いま》だ曾《....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
州へ来ても、彦根藩あたりの強いところに対しては全く見て見ぬふりをするが、力の弱い小藩だと見ると、賄賂を出さなきゃうんといじめ抜いて尺を入れる、だからそれらの土地....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
て、虎之介の顔をなでるように打ち眺め、 「実に意外な事件だなア。世良田摩喜太郎は小藩の出ながら稀代の逸材、よく薩長とレンラクして倒幕にはたらいた奇才であったが、....
落語・教祖列伝」より 著者:坂口安吾
た。諸国から武芸達者な浪人をさがして召し抱えるのが道楽である。しかし、パッとせぬ小藩だから、天下名題の名人上手は来てくれない。自慢の種になるような手錬の者がいな....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
を、詰合せにして持って来ればよかったわね。」 祖母はつくづくいわれました。森は小藩の医者の家で、質素に暮していたのでしたから、東京へ出るといっても、少しの荷物....
融和促進」より 著者:喜田貞吉
反人であったということを意識したがために、その償いとして維新の際特に王事に竭し、小藩ながら伯爵を贏ちえたのだとの説をも聞いております。はたしてそれが事実であるか....