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小袴
「小袴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
小袴の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「修禅寺物語」より 著者:岡本綺堂
きて春彦は控える。楓は起って蒲簾をまけば、伊豆の夜叉王、五十余歳、烏帽子、筒袖、
小袴にて、鑿と槌とを持ち、木彫の仮面を打っている。膝のあたりには木の屑など取り散....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
その一つは、萌黄匂の鎧で、それに鍬形五枚立の兜を載せたほか、毘沙門篠の両|籠罩、
小袴、脛当、鞠沓までもつけた本格の武者装束。面部から咽喉にかけての所は、咽輪と黒....
「名娼満月」より 著者:夢野久作
侍であった。関白七条家の御書院番で、俗に公家侍というだけに、髪の結い振り。素袍、
小袴の着こなしよう。さては又腰に提げた堆朱の印籠から青貝の鞘、茶※、白金具という....
「堺事件」より 著者:森鴎外
守居馬場彦右衛門、同藩の隊長山川亀太郎、浅野藩の重役渡辺|競の三人である。陣笠|
小袴で馬に跨り、持鑓を竪てさせている。次に兵卒数人が行く。次に大砲二門を挽かせて....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、筒袖《つつそで》に野袴《のばかま》をつけたのや、籠手《こて》脛当《すねあて》に
小袴や、旅人風に糸楯《いとだて》を負ったのや、百姓の蓑笠《みのかさ》をつけたのや....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ちいち取外《とりはず》して、品調べにかかってから、一応覚束ない手つきで、
「まず
小袴《こばかま》から……」
色のあせた緞子《どんす》の
小袴をとって帯の上に結び....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
はや散る笹の色紙哉 呼びつれて星迎へ女や小磯まで 屋根越しに僅かに見ゆる花火かな
小袴の股立とつて相撲かな 小角力の水打つて居る門辺かな 魂棚の前に飯喰ふ子供かな....
「海神に祈る」より 著者:田中貢太郎
なって堰堤の突端に松明の火が燃えだした。其処には明珍長門家政作の甲冑を著けて錦の
小袴を穿き、それに相州行光作の太刀を佩いた権兵衛|政利が、海の方に向けてしつらえ....
「生死卍巴」より 著者:国枝史郎
うか、で、何処へ?」 「まずお聞きなさりませ」 年は二十八九であろうか、帷子に
小袴をつけている。敏捷らしい顔立ちのうちに、一味の殺気の凝っているのは、善良でな....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
くだせえ。ご免くだせえ」さも不器用に案内を乞うた。「ドーレ」といって出て来たのは
小袴を着けた取り次ぎの武士。 「ええどちらから参られたな」 「へえ、甲州から参り....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
威儀を作って訪れた。 「頼む」 「応」と返事があって、正面の襖が一方へひらくと、
小袴をつけた若侍が、恭しく現われた。 「これはこれは秋山先生、ようこそご光来下さ....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
ものだといわれました。 風采もよく、背丈もあり、同役は著流しが常なのに、好んで
小袴をはかれました。頭こそ円けれ、黒羽二重の羽織を長めに著て、小刀を腰にした反身....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
弓を片手にすぐ庭へ駈けおりていた。そして北庭の的場の方へ走って行くその紫濃染めの
小袴が遠くなるまで、ここの大人ふたりは、長い月日の感慨を胸の下地においてながめて....
「野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
も同じ草をチンチングサ、石見の鹿足郡ではカンカン草ともいっている。昔話のチンチン
小袴、もしくは小児の遊び言葉に、こういう文句のあったことを記憶している人ならば、....