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小車
「小車〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
小車の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「一円本流行の害毒と其裏面談」より 著者:宮武外骨
ら東京へ返送して来た総数は、昨夏以来今秋までの間に約三百万冊である、其三百万冊を
小車、自動車、汽車、汽船等に積み卸した労力と時間だけでも少からぬ徒費ではないか、....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
りやられる、やっておいて毒が仕込んであるとも知らずに飲んだればこそ、因果はめぐる
小車さ。このとおり、このふたりが一滴の血も見せず、また命をとられてしまったんだ。....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
江戸の真中への一本道です。寺の角から新堀伝いの左へ下ると、退屈男とはめぐる因果の
小車のごとくに、切っても切れぬ縁の深い新吉原の色街でした。――もうここまで来れば....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
ッさと歩いた。太田君は以前社会主義者として、主義宣伝の為、平民社の出版物を積んだ
小車をひいて日本全国を漫遊しただけあって、中々健脚である。主人は歩くことは好きだ....
「先生への通信」より 著者:寺田寅彦
馬車の二階に乗ってオテルドヴィーユまで行きました。通りの片側には八百屋物を載せた
小車が並んでいます。売り子は多くばあさんで黒い頬冠り黒い肩掛けをしています。市庁....
「時限爆弾奇譚」より 著者:海野十三
たのは、実にその次の瞬間のことであった。ああ偉大なる発明王金博士も、因果はめぐる
小車のそれで、自ら仕掛けた長期性時限爆弾の炸裂のために、ついに一命を喪ったのでは....
「古狢」より 著者:泉鏡花
のあとに留めなかったというのに。―― 現代――ある意味において――めぐる因果の
小車などという事は、天井裏の車麩を鼠が伝うぐらいなものであろう。 待て、それと....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
と承知しねえぞ」 人の頭の上をはね越して行った宇治山田の米友が、例の二間梯子を
小車のように振り廻して、茶袋を二三名振り飛ばしたから騒ぎがまた湧き上りました。 ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
て見舞うことはかなりの仕事だった。司教はそれをやってのけた。近くは徒歩で、平地は
小車《こぐるま》で、山は騾馬《らば》の椅子鞍《いすくら》で行った。二人の老婦人が....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
衣のボタンや、また銅がはいってるために有害な弾となる寝室のテーブルの足についてる
小車輪までも、やたらに発射した。防寨全部がまったく狂乱していた。名状し難い騒擾《....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
に出ようとは思いもよらなかったのである。話をして見ると、商品、竈、製造道具、配達
小車、職人、小僧、女中、といっさいを居抜きのまま金七百円で譲ろうという。 さて....
「雪の宿り」より 著者:神西清
び出すのでございましょう、その三四ヶ月と申すものは、京の大路小路は東へ西への手車
小車に埋めつくされ、足の踏んどころもない有様。中にはいたいけな童児が手押車を押し....
「赤格子九郎右衛門の娘」より 著者:国枝史郎
から開き、 「おい忠蔵!」とお菊の声。 無言で忠蔵は眼を上げた。 「因果は巡る
小車の、とんだ事になったねえ。ホッホッホッホッ」と凄く笑う。 しかし忠蔵は黙っ....
「金狼」より 著者:久生十蘭
金だけの目的じゃなかったんじゃないかと思うんですよ。なにしろ、廻《めぐ》る因果の
小車で……」 那須は、ドスンと卓を叩いて、 「お、この餓鬼のいうことは気にいっ....
「新訂雲母阪」より 著者:直木三十五
三人は帰途についた。 五 江尻の宿へ泊った夜 酔うて伏見の千両松 淀の川瀬の
小車は 輪廻《りんね》々々と夜をこめて と、上方の流行唄《はやりうた》を聞い....