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「小陰〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

小陰の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
しろに人のけはいをでもかぎ知ったごとくに、突然右門がぴたりと歩みをとめて、そこの小陰につと身を潜めましたものでしたから、伝六も気がついてふりかえると、かれらを追....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
らせどころにそつがないのです。家のまわり、川筋の様子、何か不審はないかと、そこの小陰にたたずみながら目を光らせました。 同時に、名人のからだが、はっとなったよ....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
き――あいきょう者がこれはまた珍しや、いつになくもったいらしい顔つきをしながら、小陰へ手招くと、ものものしく声をひそめてそっとささやきました。 「ご新造が、だん....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
またおいらのおはこなんだからね。ちょっくら吐かしてめえりますから、どこかその辺の小陰にかくれて、あごでもなでていなせえよ」 得意顔に引っ返していった伝六を見送....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
と数を見しらべていましたが、そのときはしなくも目に映ったのは、群衆の向こうの桜の小陰から半身をのぞかせて、怪しく目を光らせながら様子を見守っていた年若い町人の姿....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
は『密雲雨ふらず我れ西郊《さいこう》よりす』とある、これは陽気なお盛んなれども、小陰に妨《さまた》げられて雨となって地に下るの功未だ成らざるの象《かたち》じゃ」....
富岡先生」より 著者:国木田独歩
礼の晩という日の午後三時頃でもあろうか。村の小川、海に流れ出る最近の川柳|繁れる小陰に釣を垂る二人の人がある。その一人は富岡先生、その一人は村の校長細川繁、これ....
丹下左膳」より 著者:林不忘
が風雨に狩られ余数をあつめて、水戸街道を江戸の方へ走りつつあるとき、泰軒は、岸の小陰から衣類とともに例の血筆帳《けっぴつちょう》を取り出して、血にそむ筆で二人と....
河霧」より 著者:国木田独歩
、さびしい微笑を目元に浮かべた。 すると、一人の十二、三の少年が釣竿を持って、小陰から出て来て豊吉には気が付かぬらしく、こなたを見向きもしないで軍歌らしいもの....
少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
めた。ゴルドンもゆきたかったが、かれはるすの少年を保護せねばならぬので、富士男を小陰によんで、ひそやかにいった。 「どうか、ドノバンとけんかしないようにしてくれ....