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「小音〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

小音の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
恐竜島」より 著者:海野十三
らはわけはなかった。 綱はずるずるずるずるとのびてきた。 瞬間、どうっという小音が一同の鼓膜《こまく》をうった。 「水が流れた。助かったぞ」 今まで四人の....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
まで、手には妻紫《つまむらさき》の扇子《せんす》を携えて、それで拍子を取って何か小音に口ずさんで歩いて行くと、それでも例によってムクは神妙にあとをついて、築山《....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
、 可愛い由松《よしまつ》だれと寝た だれと寝た お父さんと寝たなら よしよし小音でうたうと、岡本兵部の娘は、それに合わせるように、 寝たといな 寝たといな....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
得なかった。クリストフはそれを愉快に感じ、それから得るところがあった。それらの群小音楽家たちは、ドイツの音楽家らよりも、精神の自由をはるかに多く有していた。彼ら....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
たが、そういう女の出来心を説明しようとするだけの労をとらなかった。彼はいつもその小音楽会に臨席し、頭で拍子をとり、自分の意見を述べ、まったく喜びきっていた。それ....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
くはあるが、はっきりと聞き取れた。夜牧場で家畜の首についてる鈴から起こるかすかな小音楽にも似寄っていた。 その音をきいて、ジャン・ヴァルジャンはふり返った。 ....
株式仲買店々員」より 著者:ドイルアーサー・コナン
部屋をノックするんだろう」 事務員は云った。 再び前よりは高いコツコツと云う小音が聞えて来た。私達はみんな、呼吸を殺ろして閉されてあるドアを見詰めた。ホーム....
音の世界に生きる」より 著者:宮城道雄
、鈴虫、くつわむし、それぞれ趣きがあってよい。秋の夜長を楽しませてくれるこれ等の小音楽師達に、私は心からの感謝を捧げたく思う。 私はまた、小鳥が好きで、都会の....
犠牲者」より 著者:平林初之輔
のは、宇宙間に於ける最も美妙な音楽であると私は言いたい。それは何千億という細かい小音の集りである。あたかも、大洋の水を構成している無限数の分子の一つ一つの衝撃が....
随筆 寄席風俗」より 著者:正岡容
えいわれていますが、それぞれにおかしい。――圓太郎はあの鉄火な美音だし、さりとて小音ですがれたところに哀感のある小圓太のもまた捨てがたいと感じます。 大阪の噺....
ロザリオの鎖」より 著者:永井隆
乱れていると、狭いすき間がいくらもできる。そのすき間を風が吹き通るとき笛のように小音を立てる。その音波がいくつも集まり、干渉してすすり泣きのように聞こえるのであ....