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小頸
「小頸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
小頸の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「風の便り」より 著者:太宰治
笑して、「毎日たいへんですね。」と言ってやりました。女は、え? と聞き直すように
小頸《こくび》をかしげて私のほうを見て、当惑そうに幽かに笑いました。聞えないので....
「うつり香」より 著者:近松秋江
凭していた。 「今日いるか知らん?」 電車を降りると柳沢は先に立って歩きながら
小頸を傾けて、 「どこへゆこう?」 「さあ、どこでもいいが、その、君の先だって行....
「狂乱」より 著者:近松秋江
あんた知っていませんか」 「さあ、それも、わたしどこや、よう知りまへんけど」と、
小頸を傾けるようにして、「何でも三条とか、油の小路とか聴いたように思うけど、委し....
「霜凍る宵」より 著者:近松秋江
る。私はもう身体中の血が沸き返るようである。 「旦那が来ているのだろうか?」と、
小頸を傾けてみた。 旦那らしい者があると思って見るさえ、何とも言えない不快な気持....
「打あけ話」より 著者:宮本百合子
ですか。この分のは紙がわるくなっていると矢張りよそさんから苦情が出ております」と
小頸を傾けた。二日ばかりして、また来ていうことには、「どうも弱りました。製紙会社....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
机の角を叩いて「畜生!」と叫んだ。 いおうようない嫉妬が身を噛み上げて来て私は
小頸だけぶるぶると慄わした。大きく身体を慄わすのは、何か意外なことが出来上りそう....