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「小額〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

小額の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
人間失格」より 著者:太宰治
られ、自分は、ヒラメの家の二階の、三畳の部屋で寝起きして、故郷からは月々、極めて小額の金が、それも直接に自分宛ではなく、ヒラメのところにひそかに送られて来ている....
外套」より 著者:ゴーゴリニコライ
金《ぎえんきん》を集めることに話がきまった。が、いざ集めてみると、それはきわめて小額であった。というのは、役人連中はそれでなくてさえ、やれ局長の肖像のための寄付....
富士」より 著者:岡本かの子
たくさんあるが、この湧玉の水もその一つであった。朝日がひむがしの海より出で、山の小額を薔薇色に染めかけるとき、この水の底から湧く泡の玉は特に数が多い。夜中に籠れ....
青木の出京」より 著者:菊池寛
》であった青木は、なんといっても不自由な寄食的生活と、月々給与せられる五円という小額な小遣いとのために、その生活をかなり虐げられているらしかった。彼は、見る見る....
俘囚」より 著者:海野十三
発見したことだったが、その帖面の現在高は、云いあわせたように、いずれも一円以下の小額だった。結局わが夫の懐工合は、非常に悪いことが判った。意外ではあるが、事実だ....
映画と癩の問題」より 著者:伊丹万作
びっしりと乞食が坐っていたが、その大半は癩者であった。彼らが参詣人から与えられる小額の銅貨を受け取るため、絶えず前に突き出している手にはほとんど五指がなかった。....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
だ。耳の病を祈るしるしとして幾本かの鋭い錐を編み合わせたもの、女の乳|搾るさまを小額の絵馬に描いたもの、あるいは長い女の髪を切って麻の緒に結びささげてあるもの、....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
上京以来すでに半年あまりも寝起きをして見れば、亭主多吉の好みで壁の上に掛けて置く小額までが彼には親しみのあるものとなっている。 過ぐる五日の暗さ。彼は部屋に戻....
仮装人物」より 著者:徳田秋声
成してくれますわ。」 葉子は言うのだったが、庸三も三つの書店から来る印税の一番小額な分の残額くらいは、それに当てておいてもいいと思った。 そのころ葉子は子供....
ヒルミ夫人の冷蔵鞄」より 著者:海野十三
上に大きな脅威をうける。もう彼は、地道にコツコツ働いて、月給五十円也というような小額のサラリーマン生活をする気はなかった。ヒルミ夫人のもとにいて、懐手をしながら....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
はそのためではありません。毎晩決まったルウレット台のきまった椅子に坐り込んで、最小額の十|法ばかり賭けつづけていたからでした。いや、きまっていたのはそればかりで....
宝島」より 著者:佐々木直次郎
ァージングの代りに何百ポンドと…………。――一ファージングは四分の一ペニーという小額であり、一ポンドは二十シリング、一シリングは十二ペンスであるから、ポンドはフ....
母の上京」より 著者:坂口安吾
ればさうせざるを得ぬ拾ひ物のやうなもので、その利得なども今から見れば問題にならぬ小額だつた。けれども、これが病みつきであつた。 その会社では彼は高い地位ではな....
一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
していくことが出来るのである。もっとも喫茶店などは少しく事情を異にし、売上金高が小額でしかも相当華麗な室を設備せねばならぬのであるから、その装飾費を含む家賃は売....
安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
の損害三万円のほかに、その二ヶ月間女房がアロハ氏に扶養せられた食いブチなにがし、小額といえども返還させて、被害者たるアロハ氏の不運なりし新婚生活の労に報いる一端....