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小首をかしげる
「小首をかしげる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
小首をかしげるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
までの、やや血肥りな腕に美しい線を作って、ほほ笑んだ瞳をそのままこちらに向けて、
小首をかしげるようにしたその姿は、自分のいいだした言葉、しようとしていることを、....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
病気を、どんな煩《わずら》いと、思うてか?」
浪路が、杯を手にしたまま、じっと
小首をかしげるようにして訊く。
「どんな煩いというて、くわしゅうはどなたもおっし....
「旅愁」より 著者:横光利一
ひき緊ったところに、立ち去りがたいものがあった。
「いいなアこれは。」
矢代が
小首をかしげると千鶴子は傍から、
「綺麗ね。何んだか見たことのあるようなものだけ....
「三十年後の世界」より 著者:海野十三
自分のものにしたのかね。たぶん知らないと思っていったのだが……」 カンノ博士は
小首をかしげる。 「先生は忘れっぽいですね。この間、大学の大講堂で講演なさったじ....
「火星探険」より 著者:海野十三
いのだ」 「そんなに永いことかかっても、わからないもんですかねえ」 河合少年は
小首をかしげる。 「そんなに永いことかかってもわからないことを、今こつこつ一生け....
「子供のためには」より 著者:宮本百合子
、そう思わないという意味の答えをしたら、訊ねた人は大変案外そうに、そうかなア、と
小首をかしげる表情をした。 私にもきかれて、私の答えも、やはり条件つきでされた....
「爆薬の花籠」より 著者:海野十三
ほほほ。でも」 つりこまれたように、房枝は高らかに笑ったが、そのあとで、やはり
小首をかしげる房枝だった。 「あーら、いやな房枝さん。まだ、はっきりしないの」 ....
「英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
うえに、しばし釘づけになった。 そのうちに、彼の表情に、困惑の色が浮んできた。
小首をかしげると、呻くようなこえで、 「……わからない。何のことやら、全然わけが....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
治に行くよりは、私は肥後の熊本へ行きたいのです」
「はて、肥後の熊本」
と梶川が
小首をかしげるのを、奥方がひきとって、
「肥後の熊本は先祖の地だということで、こ....
「つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
実真銘、この白髪頭《しらがあたま》に免じて――」 手先らしい男――? と文次が
小首をかしげると、猫侍のかれ声だ。 「さようなこと聞く耳持たぬ。神田の閑山として....
「随筆 寄席囃子」より 著者:正岡容
家で昼風呂につかっていると、 『号外ーッ』というけたたましい声々。 はて――と
小首をかしげる間もなくその号外は、 『伊藤公ハルピンにて暗殺さる』 さてこそな....
「寄席行灯」より 著者:正岡容
あくる日、湯島の家で昼風呂につかっているといとけたたましい号外の声。 はてなと
小首をかしげる間もなくその号外は、 「伊藤公ハルピン駅にて暗殺さる」 云々。 ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
い」 と、相手の声をたよりに膝をすすめる。 ちょこねんと置いた姿の坐り癖も、
小首をかしげる盲癖も、小法師だけに可憐しかった。 「ほんに又太郎さまは、よく私の....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
悩みは、そんなきれいな、やさしい悩みではないらしいのよ」 「悩み?」 覚一は、
小首をかしげる。 「……藤夜叉さんは、それをお母あさんに訴えて来たんですか。いつ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
きたいとのことにござりまする」 「時も時に?」 と、殿ノ法印のふとした疑心は、
小首をかしげる。 宮中から大塔ノ宮へ、不時のお招きというのも気がかりだが、初雪....