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「小鼓〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

小鼓の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
のお光《みつ》と二人で下谷《したや》の大音寺《だいおんじ》前に小さい家を借りて、小鼓指南《こづつみしなん》という看板をかけていたが、弟子入りする者などほとんど一....
川中島合戦」より 著者:菊池寛
なったようなものである。信玄大いに喜び、斥候を放って、妻女山の陣営を窺わせると、小鼓を打って謡曲『八島』を謡っている。信玄案に相違して、諸方に斥候を放つと、旭山....
桶狭間合戦」より 著者:菊池寛
えて出すと悠々と食し終った。腹ごしらえも充分である。食事がすむと牀几に腰をかけて小鼓を取り寄せ、東向きになって謡曲『敦盛』をうたい出した。この『敦盛』は信長の常....
真田幸村」より 著者:菊池寛
し時代の旧友であったので、一日、彼を招じて、もてなした。 酒盃|数献の後、幸村小鼓を取出し、自らこれを打って、一子大助に曲舞数番舞わせて興を尽した。 この時....
梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
◇翁 (シテ)梅津利彦 (三番叟)高原神留 (千歳)生熊生 (大鼓)高畠元永 (小鼓頭取)栗原伊平 (脇鼓)本松卯七郎、石橋英七 (笛)中上正栄 ◇老松 (シテ....
若菜のうち」より 著者:泉鏡花
たか。新春の読ものだからといって、暢気らしい。 田畑を隔てた、桂川の瀬の音も、小鼓に聞えて、一方、なだらかな山懐に、桜の咲いた里景色。 薄い桃も交っていた。....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
平を誰とかする、七十八歳の翁、辺見秀之進。近頃孫に代を譲って、雪叟とて隠居した、小鼓取って、本朝無双の名人である。 いざや、小父者は能役者、当流第一の老手、恩....
南地心中」より 著者:泉鏡花
葱紗の素袍着て、白衣の袖を粛ましやかに、膝に両手を差置いた。 前なるお美津は、小鼓に八雲琴、六人ずつが両側に、ハオ、イヤ、と拍子を取って、金蒔絵に銀鋲打った欄....
決戦川中島 上杉謙信の巻」より 著者:坂口安吾
まかせて、ただ最後の一戦にのみ備えよ」 余は将兵にかく諭して、日夜妻女山々上に小鼓を打ちならし謡曲にふけった。 果して信玄は余の策をはかりかねたのであろう。....
開運の鼓」より 著者:国枝史郎
いるのである。 紙の破れた格子窓からすぐに往来が見えていたが、その往来に佇んで小鼓を打っている者がある。麟太郎は書物から目を上げて音のする方を眺めて見た。銀の....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
であった。 「刃の稲妻……」と故意と皮肉に、「消えた提灯、女の悲鳴、雪に響き渡る小鼓とあっては、こいつうっちゃっては置けませんからな」「ははあそれではお調べか?....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
御苦労様。 わッという掛け声のうちに、賑かな下座《げざ》が入る。三味線、太鼓、小鼓、それに木魚がつれて、禅《ぜん》のつとめの合方《あいかた》。 映し幕に、パ....
地上」より 著者:島田清次郎
やかな平和な調べをようやくに強め、撥の音が水を切るように聞えたとき、極めて柔しい小鼓の音が、三絃の調べにからみ合った。奔流のように瀬波をつくって高くなり低くなり....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
てね。亭主も亡くなって、自分で芸事を教えていました。茶だの、活花だの、それより、小鼓を打ってね、この方が流行ったそうです。四五年前に、神田の私の内へ訪ねて来た時....
鼓の音」より 著者:田中貢太郎
ようであるがどうも我家らしいぞ、と思った。二階の方では、とん、とん、とん、と云う小鼓の音がしていた。 風の無い晴れきった、世の中がうつらうつらしているようにお....