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「小鼠〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

小鼠の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
白菊」より 著者:夢野久作
た遺跡であるかのように、色々な食器、豆のような玩具、花籠、小さな犬、猫、鼠、猿、小鼠のたぐいが、殆んど数限りなく、行儀のいい円陣や、方陣を作って並んでいる。その....
三つの窓」より 著者:芥川竜之介
雨の晴れ上った朝、甲板士官だったA中尉はSと云う水兵に上陸を許可した。それは彼の小鼠を一匹、――しかも五体の整った小鼠を一匹とったためだった。人一倍体の逞しいS....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
か、折から迫った夕闇に紛れて巧みに逃げ去ったらしく、影も形も見えないのです。 「小鼠のような奴じゃな。よいよい。いなくばよいゆえ、二度とあいつめを寄せつけぬよう....
十二支考」より 著者:南方熊楠
室《ていしつ》の『玉海《ぎょっかい》集』に「ヨメをとりたる宿の賑《にぎわ》ひ」「小鼠をくはへた小猫ほめ立てゝ 貞徳」、加藤雀庵はヨメは其角の句に見えたヨメが君の....
宝島」より 著者:佐々木直次郎
怖くなって、一番近くの鮮色樫のこんもりしている下へ這い込んで、耳をすましながら、小鼠のように黙って、そこにしゃがんでいた。 別の声が返事をした。すると初めの声....
雪の宿り」より 著者:神西清
つ、お倉の中を検分にかかりますと、そこの山の隈かしこの山の陰から、ちょろちょろと小鼠のように逃げ走る人影がちらつきます。難民の小倅どもがまだ諦めきれずに金帛の類....
」より 著者:岡本綺堂
お此を呼んだ。 「叔母さん。あ、あれ……。」 彼が指さす縁側には、一匹の灰色の小鼠が迷うように走り廻っていたが、忽ち庭さきに飛びおりて姿を消した。叔母も甥も息....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
帰りに賄室の前を通る時に見ましたら、間の時間なので、がらんとしていて人気もなく、小鼠がちょろちょろ走っていました。廊下では繃帯をかけたり、黒い眼鏡をかけた人に多....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
掛からない。 そこらをがさがさ云わせる奴に、もう己の詞が聞えよう。 こら。大鼠、小鼠、蠅に蛙に 南京虫、蝨の王の 仰だぞ。遠慮なく這って出て、 そこの敷居をかじ....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
でも黒んぼの鰌すくい、流石におしまいにはへとへとに疲れたと見えて、くるくるくると小鼠のように転廻すると、右手に並んで取澄ました仮装団のまん中へとどたりわアところ....