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小鼻
「小鼻〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
小鼻の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カルメン」より 著者:芥川竜之介
扮《ふん》するはずのイイナ・ブルスカアヤに夢中になっていた。イイナは目の大きい、
小鼻の張った、肉感の強い女である。僕は勿論カルメンに扮《ふん》するイイナを観《み....
「父」より 著者:芥川竜之介
った。
「早いね、君も。」
「僕はいつも早いさ。」能勢はこう云いながら、ちょいと
小鼻をうごめかした。
「でもこの間は遅刻したぜ。」
「この間?」
「国語の時間に....
「ひょっとこ」より 著者:芥川竜之介
た。
しかし面の下にあった平吉の顔はもう、ふだんの平吉の顔ではなくなっていた。
小鼻が落ちて、唇の色が変って、白くなった額には、油汗が流れている。一眼見たのでは....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
した。「泣いちゃいけない。」――彼は咄嗟《とっさ》にそう思った。が、もうその時は
小鼻の上に涙のたまるのを感じていた。
「莫迦《ばか》だね。」
母はかすかに呟《....
「或る女」より 著者:有島武郎
」
こんな文句が断片的に葉子の心にしみて行った。葉子は激しい侮蔑《ぶべつ》を
小鼻に見せて、手紙を木村に戻《もど》した。木村の顔にはその手紙を読み終えた葉子の....
「或る女」より 著者:有島武郎
いちまつ》の清い悲しい静けさ。葉子の目はひとりでに閉じて行った。整った呼吸が軽く
小鼻を震わして流れた。
つやが戸をたてにそーっとその部屋《へや》にはいった時に....
「星座」より 著者:有島武郎
という方が適当かもしれないが、争《あらそ》われないのは胸のあたりの暖かい肉づき、
小鼻と生えぎわの滑かな脂肪《しぼう》だった。そしてその顔にはちょっと見よりも堅実....
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
のような仕切戸《しきりど》から、眉の迫った、頬の膨《ふく》れた、への字の口して、
小鼻の筋から頤《おとがい》へかけて、べたりと薄髯《うすひげ》の生えた、四角な顔を....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
、磨込んだ顔がてらてらと光る。地の透く髪を一筋|梳に整然と櫛を入れて、髯の尖から
小鼻へかけて、ぎらぎらと油ぎった処、いかにも内君が病身らしい。 さて、お初にお....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
った。殊に色白なその頬は寝入ってから健康そうに上気して、その間に形よく盛り上った
小鼻は穏やかな呼吸と共に微細に震えていた。「クララの光の髪、アグネスの光の眼」と....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
町の中に、ぬい、と立って、杖を脚許へ斜交いに突張りながら、目を白く仰向いて、月に
小鼻を照らされた流しの按摩が、呼ばれたものと心得て、そのまま凍附くように立留まっ....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
女は身を引いて、肩を摺った羽織の手先を白々と紳士の膝へ。 額も頬も一分、三分、
小鼻も隠れたまで、いや塗ったとこそ言え。白粉で消した顔とは思うが、松崎さえ一目見....
「菎蒻本」より 著者:泉鏡花
ましては、真に申兼ねましたが、その蝋燭でございます。」 「蝋燭は分ったであす。」
小鼻に皺を寄せて、黒子に網の目の筋を刻み、 「御都合じゃからお蝋は上げぬようにと....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
い、目のやさしい、眉の太い、引緊った口の、やや大きいのも凜々しいが、頬肉が厚く、
小鼻に笑ましげな皺深く、下頤から耳の根へ、べたりと髯のあとの黒いのも柔和である。....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ァお前は爺やであったか! そう言えば成るほど昔の面影が残っています。――第一その
小鼻の側の黒子……それが何より確かな目標です……。』 『姫さま、俺は今日のように....