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少しき
「少しき〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
少しきの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「守の家」より 著者:伊藤左千夫
りて来た。「良くまア坊さんきてくれたねえ」と云って母子して自分達を迎えた。自分は
少しきまりが悪かった。母の袖の下へ隠れるようにしてお松の顔を見た。お松は襷をはず....
「野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
烏《からす》の鳴くにも涙ぐんで、さわれば泣きそうな風でいたところへ、お母さんから
少しきつく叱られたから留度《とめど》なく泣いたのでしょう。お母さん、私は全くそう....
「夜行巡査」より 著者:泉鏡花
ら、ああしたものさ。気に入るの入らないのと、そんなこたあ言ってくれるな」 女は
少しきっとなり、 「それではあなた、あのおかたになんぞお悪いことでもございますの....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
が半七の胸にひびいた。 「むむ。又蔵か」 「お前さん、御存じですかえ」と、お安は
少しきまり悪そうな顔をして訊いた。 「まんざら知らねえこともねえ」と、半七は調子....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
されて、耳を傾けるや否や、赫となって我を忘れて、しゃにむに引開けようとした戸が、
少しきしんで、ヒヤリと氷のような冷いものを手に掴んで、そのまま引開けると、裏階子....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
来て、 「義雄かい?」僕の父であった。 「ただいま帰りました」と、僕はあわてて、
少しきまりが悪く答えた。きょうは帰っただろうと、それとなく、わざわざ見まわりに来....
「島原心中」より 著者:菊池寛
だんだん被告に対する尋問のこつを覚えて来ていたのです。 『さあ、これから、お前に
少しききたいことがあるのだが、お前もな、できたことは仕方がないことだから、何もく....
「芥川の事ども」より 著者:菊池寛
生全集」があんなにゴタゴタを起し、芥川にはまったく気の毒で芥川と直面することが、
少しきまり悪かったので、座談会が了った後も、僕は出席者を同車して送る必要もあり、....
「火星兵団」より 著者:海野十三
いると思うから、なるべくさからわないようにしている。
それを見て、博士は、また
少しきげんを直し、
「せっかく、わしがお前をえらくしてやろうと思っているのに、お....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
でした。―― 『そなたは戸外へ出たがっているようじゃナ。』 図星をさされて私は
少しきまりが悪く感じました。 『お爺さま、何ういうものか今日は気が落付かないで困....
「白髪鬼」より 著者:岡本綺堂
たので、四組ほどの他の客がびっくりしたようにこっちを一度に見返ったので、わたしは
少しきまりが悪くなりました。茶を飲んで、菓子を食って、その勘定は山岸が払って、二....
「春」より 著者:岡本かの子
それは応接間の窓際の紅椿だ。 ――駄目。驚いちゃあ。花。椿の花。 加奈子が
少しきつくなだめると、京子は、ぽかんとして椿の花を見直して居た。すこし経つと、恐....
「妖怪学一斑」より 著者:井上円了
はまれなり 鳥の声すみてかるきは日和なり おもく濁るはあまけとそしれ 今度は
少しきたないのですが、 小便のしげきは日和、飲水の はらに保つを雨と知るへし ....
「呼ばれし乙女」より 著者:岡本かの子
なら、お気をつけ遊ばして」 と言って見送る女中達に千歳は慶四郎の露骨な振舞いが
少しきまり悪かった。 薄霧の曇りは、たちまち剥げかかって来た。競り上るように鮮....
「新古細句銀座通」より 著者:岸田劉生
はショウウインドーに、料理した食い物を飾ってあるが、あれは、見た眼に、美しくなく
少しきたなくみえていけない。食物は膳に置いてこそ美し、窓の中に入れて往来からみせ....