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「少ない〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

少ないの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
偸盗」より 著者:芥川竜之介
《おおじ》を北へ、進まない歩みをはこんだ。―― 日中の往来は、人通りもきわめて少ない。栗毛《くりげ》の馬に平文《ひらもん》の鞍《くら》を置いてまたがった武士が....
春の夜」より 著者:芥川竜之介
《うち》から二三町離れた、灯《ひ》の多い町へ氷を買いに行った。その帰りに人通りの少ない屋敷続きの登り坂へかかると、誰か一人《ひとり》ぶらさがるように後ろからNさ....
河童」より 著者:芥川竜之介
です。)一度もつかまったことはありません。これは一つにはマッグぐらい、醜い河童も少ないためでしょう。しかしまた一つにはマッグだけはあまり往来へ顔を出さずに家《う....
子供の病気」より 著者:芥川竜之介
ゆうべの洗腸を繰り返した。自分はその手伝いをしながら、きょうは粘液《ねんえき》の少ないようにと思った。しかし便器をぬいてみると、粘液はゆうべよりもずっと多かった....
湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
》と言う人だよ。」 僕は譚にこう言われた時、おのずから彼の長沙《ちょうさ》にも少ない金持の子だったのを思い出した。 それから十分ばかりたった後、僕等はやはり....
野呂松人形」より 著者:芥川竜之介
含んで、どことなく暖い。二三ヶ所で問うて、漸《ようや》く、見つけた家は、人通りの少ない横町にあった。が、想像したほど、閑静《かんせい》な住居《すまい》でもないら....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
たいと云ったそうである。蝶――と云えばあの蟻を見給え。もし幸福と云うことを苦痛の少ないことのみとすれば、蟻も亦我我よりは幸福であろう。けれども我我人間は蟻の知ら....
二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
定するのは、恥ずべき事ではございますまいか。 閣下はまず、人間が如何に知る所の少ないかを御考えになるべきでしょう。たとえば、閣下の使用せられる刑事の中にさえ、....
点鬼簿」より 著者:芥川竜之介
槲《かし》の葉かげにラム酒を飲んだことを覚えている。ラム酒は非常にアルコオル分の少ない、橙黄色《とうこうしょく》を帯びた飲料だった。 僕の父は幼い僕にこう云う....
或る女」より 著者:有島武郎
》苦しいほどだった。 船に乗ってからろくろく運動もせずに、野菜気《やさいけ》の少ない物ばかりをむさぼり食べたので、身内の血には激しい熱がこもって、毛のさきへま....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
手を引き合って、修行することに致しましょう。何うぞこちらへ……。』 その口数の少ない、控え目な物ごしが、私には何より有難く思われました。『矢張り歴史に名高い御....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
霊媒に該当する特殊の能力者である。高級霊が交通を開き得る、優れた霊媒の数は極めて少ない。地上と通信を欲する高級霊は少くないが、容易に適当の霊媒を見出し難いので、....
歯車」より 著者:芥川竜之介
のインクよりも僕を不快にするのを常としていた。僕はやむを得ずこの店を出、人通りの少ない往来をぶらぶらひとり歩いて行った。そこへ向うから近眼らしい四十前後の外国人....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
た。その時デビーは「商売変えは見合わせたがよかろう。科学は、仕事がつらくて収入は少ないものだから」というた。この頃デビーは塩化窒素の研究中であったが、これは破裂....
本所両国」より 著者:芥川竜之介
た乱杭である。昔の芝居は殺し場などに多田の薬師の石切場と一しょに度々この人通りの少ない「百本杭」の河岸を使っていた。僕は夜は「百本杭」の河岸を歩いたかどうかは覚....