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少なからず
「少なからず〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
少なからずの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河童」より 著者:芥川竜之介
ない軍備を具《そな》えているということです。僕はこの獺を相手に河童の戦争した話に
少なからず興味を感じました。(なにしろ河童の強敵に獺のいるなどということは「水虎....
「或る女」より 著者:有島武郎
いて、切り下げにした貞世の前髪をそっとなであげて倉地に見せた。倉地は声を殺すのに
少なからず難儀なふうで、
「そうやるとこっちは、貞世は、お前によく似とるわい。…....
「小作人への告別」より 著者:有島武郎
れができ上がった時、諸君がそれを研究して、適当だと思ったらそれを採用されたなら、
少なからず実際の上に便利でしょう。
具体案ができ上がったら、私は全然この農場か....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
男金女土 二十八 主税は、礼之進が早くも二度の魁を働いたのに、
少なからず機先を制せられたのと――かてて加えてお蔦の一件が暴露たために、先生が太....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
。それは顔がどことなしにライオンに似ていたためである。僕は西川と同級だったために
少なからず啓発を受けた。中学の四年か五年の時に英訳の「猟人日記」だの「サッフォオ....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
の袴して輪に歩行いた。が、これは鎮守の神巫に似て、しかもなんば、という足どりで、
少なからず威厳を損じた。 群集の思わんほども憚られて、腋の下に衝と冷き汗を覚え....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
って、動くたびに、ぶるぶると畳の震う処は天変に対し、謹んで、日蝕を拝むがごとく、
少なからず肝を冷しながら、 「旅はこれだから可いんです。何も話の種です。……話の....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
一 白鷺明神の祠へ――一緑の森をその峰に仰いで、小県銑吉がいざ詣でようとすると、案内に立ちそうな村の爺さんが
少なからず難色を顕わした。 この爺さんは、 「――おらが口で、更めていうではね....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
夢中だったのだそうである。もっとも、すぺりと円い禿頭の、護謨、護謨としたのには、
少なからず誘惑を感じたものだという。げええ。大なおくび、――これに弱った――可厭....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
置かれている所が、一つの大きな洞穴――岩屋の内部であることに気づきました。私は、
少なからずびっくりしました。―― 『オヤオヤ! 私は不思議な所に居る……私は夢を....
「恒藤恭氏」より 著者:芥川竜之介
かと思う程なりき。当時僕等のクラスには、久米正雄の如き或は菊池寛の如き、天縦の材
少なからず、是等の豪傑は恒藤と違い、酒を飲んだりストオムをやったり、天馬の空を行....
「春昼後刻」より 著者:泉鏡花
でござりやすよ。」 「別に迷惑にもならなかったかい。」 と悠々としていった時、
少なからず風采が立上って見えた。勿論、対手は件の親仁だけれど。 「迷惑|処ではご....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
と考えられるものだ。だから、先生があらわれると、とかく農家のおやつのテーブルには
少なからず騒ぎがおこり、菓子や砂糖漬けのご馳走がむやみと増えることもあろうし、こ....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
るところの存せん限りは一日も政府の任を尽くさざるべからずとて極力計画したるところ
少なからず、そのもっとも力を致したるは勘定奉行在職中にして一身を以て各方面に当り....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
感じられるであろう。現に今でもO君などは「この川でも泳いだりしたものですかね」と
少なからず驚嘆していた。 僕は又この河岸にも昔に変らないものを発見した。それは....