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少なからぬ
「少なからぬ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
少なからぬの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
するために牽《ひ》き起される近親の不幸(父も母もそのためにたしかに老後の安楽から
少なからぬものを奪われてはいるが)は、清逸をますます学問の方に駆りたてはしても、....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
しかし備前屋の娘の手に残っていた獣《けもの》の毛が確かに熊の毛であるらしいことが
少なからぬ興味をひいた。彼はここで午飯の馳走になって、彦八をつれて伊豆屋を出た。....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
だに回復した。それだけでも、伊勢屋一家の信仰を買うには十分であって、伊勢屋からは
少なからぬ奉納物を神前にささげた。取り分けて久次郎は美しい行者を尊崇した。 か....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
今の能弁であることは、ここに一目見て主税も知った。 聞くがごとくんば、理学士が
少なからぬ年俸は、過半菅子のために消費されても、自から求むる処のない夫は、すこし....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
増して一生懸命に同情しているけれど、向うが身上がえいというので、仕度にも婚礼にも
少なからぬ費用を投じたにかかわらず、四月といられないで出て来た。それも身から出た....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
た。ここらでもその栗の木は名物になっているとみえます。その以来、わたしも栗の木に
少なからぬ注意を払うようになって、公園へ行っても、路ばたを歩いても、いろいろの木....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
左衛門は大家に育っただけに、相当の学問の素養もあるので、この古い鏡の発見について
少なからぬ興味をもった。且はその鏡に自分の娘ふたりを蠱惑する不可思議な魔力がひそ....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
一番あとだったのを、孫八が来て見出したとともに、助けたのである。 この少年は、
少なからぬ便宜を与えた。――検する官人の前で、 「――三日以来、大沼が、日に三度....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
けて、再び産婦の方へ行ってしまった。 主人は落ち着いているものの、店の者どもは
少なからぬ恐怖を感じた。もしこの文面の通りであれば、日が暮れてから近所の銭湯へも....
「白髪鬼」より 著者:岡本綺堂
ばいかにも男らしい風采の持主でした。その上に、郷里の実家が富裕であるらしく、毎月
少なからぬ送金を受けているので、服装もよく、金づかいもいい。どの点から見ても七人....
「経帷子の秘密」より 著者:岡本綺堂
」 伯父は商売の手違いから、二、三年来その家運がおとろえて、同商売の井戸屋には
少なからぬ借財が出来ている。現にこの歳の暮れにも井戸屋から相当の助力をして貰わな....
「真鬼偽鬼」より 著者:岡本綺堂
衛の取持ちで、甚吉は亀屋という店に奉公しているお園という女と深い馴染みになって、
少なからぬ金をつぎ込んでいると、それを気の毒に思って、ひそかに彼に注意をあたえる....
「浮世絵画家の肉筆」より 著者:上村松園
こういう展覧会としても、なかなか見ごたえのあるものでした。私も一覧いたしまして、
少なからぬ面白みを感じたしだいです。 この肉筆物はもっぱら寛永前後のものが、中....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
病身な母親と、長煩いで腰の立たぬ父親とを貢いでいるのがあった。 八
少なからぬ借金で差引かれるのが多いのに、稼高の中から渡される小遣は髪結の祝儀にも....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
春に着いた。車中で研究のため展望車の特別室を借用することについて、満鉄嘱託将校に
少なからぬ御迷惑をかけたことなど思い出される。第二日の研究は私の「戦争史大観」で....