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少なくない
「少なくない〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
少なくないの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
読本《よみほん》の悪評を聞くということは、単に不快であるばかりでなく、危険もまた
少なくない。というのは、その悪評を是認するために、勇気が、沮喪《そそう》するとい....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
いた。あらしに吹きちぎられた屋根板が、いつまでもそのままで雨の漏れるに任せた所も
少なくない。目鼻立ちのそろった年ごろの娘が、嫁入ったといううわさもなく姿を消して....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ている。しかしこういう明白な縄張りを守ることを忘れて超自然的な解説を敢てした人も
少なくない。そういう人々は自然法則の不変(六九頁並びに注参照)という明白なスピノ....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
、日本国体の神聖が強調される今日、未だに真に八紘一宇の大理想を信仰し得ないものが
少なくないのは誠に痛嘆に堪えない。 最終戦争が遠い将来には起るかも知れないが、....
「演技指導論草案」より 著者:伊丹万作
たか。あるいはまた、最もすぐれた説明は、何も説明しないことであるような例が決して
少なくない事実に気がつくならば、私の意図している方向が、まんざら荒唐無稽でないこ....
「三十年後の世界」より 著者:海野十三
にかえった大自然の風景の中に自分もとけこんで、たのしい散歩やピクニックをする人が
少なくないとのことであった。 「じゃあ、前のような地上の大都市というものは、どこ....
「宇宙の迷子」より 著者:海野十三
れる。 それに、大昔からこの重力平衡圏へ流れこんで、宙ぶらりんになっている物が
少なくないのである。だからいよいよそれは宇宙の墓場らしく見えてくるのであった。山....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
が明を失ったのは九輯に差掛った頃からであるが、馬琴は著書の楮余に私事を洩らす事が
少なくないに拘わらず、一眼だけを不自由した初期は愚か両眼共に視力を失ってしまって....
「苦楽」より 著者:上村松園
の条件ではないかと思うのです。 近頃、制作の苦しみだけを高唱している若い作家が
少なくないというようにも聞きます。で、私は、その苦しみを楽しみうる作家こそは、真....
「明治哲学界の回顧」より 著者:井上哲次郎
代である。自分は仏教に対しても多大の興味を有しており、その影響を受けたこともまた
少なくない。またクリスト教の道徳思想に対しても崇敬の念を抱いている。であるから、....
「迷信解」より 著者:井上円了
のものなれば、愚民にとりては多少の効験なきにあらざるも、これと同時に弊害も決して
少なくない。また今日にありては、かかる方法によりて疑いを決する必要はなかろうと思....
「岩波文庫論」より 著者:岩波茂雄
稿を得るために新たに最適任者に懇請して数年を費やしてようやく刊行するに至った例も
少なくない。しかるにこの態度は今もなお一般に理解されず、往々にして著者から謙遜の....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
ってる人たちであったから、今だにその画をも見ずその名をすらも知らないものが決して
少なくないだろう。先年或る新聞に、和田三造が椿岳の画を見て、日本にもこんな豪い名....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
屈伏してしまった。そこで読み直して見ると前後重複するところもあり、補修すべき点も
少なくないが、現役最後の思い出として取敢えずこのまま世に出すこととした。 昭....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
明治時代に変っていないことは確かである。川蒸汽の中は満員だった上、立っている客も
少なくない。僕等はやむを得ず船ばたに立ち、薄日の光に照らされた両岸の景色を見て行....