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少年期
「少年期〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
少年期の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「熊の出る開墾地」より 著者:佐左木俊郎
たのだが、いつの間にか嗅ぎつけて妻が出て来た。伜《せがれ》の雄吾はその頃、敏感な
少年期に達していたのだが、そこへは駈け出して来なかった。沈着な彼の母が、その場を....
「西湖の屍人」より 著者:海野十三
内のお濠近くにあるカフェ・ドラゴンを買いとって、二人は行いすましていた。漢于仁は
少年期をとびこして、いつしか立派な青年となっていた。そしてその瀟洒たる風采と偉貌....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
しろを向く。歳にしては大柄な背中が声もなく波打った。復一は身体中に熱く籠っている
少年期の性の不如意が一度に吸い散らされた感じがした。代って舌鼓うちたいほどの甘い....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
たが、半蔵は佐吉も家に残して置いて、弟子の勝重だけを連れて行くことにした。勝重も
少年期から青年期に移りかける年ごろになって来て、しきりに同行を求めるからで。 ....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
るとのことだったが、まさか今なおそんな事情が続いているのではあるまいね。彼は今、
少年期から青年期に移る、肉体上および精神上に一大激変のあるもっとも危険な年頃にあ....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
だ。 してみると、梶せつ子と放二の特別な関係を知らないのかな、と長平は思った。
少年期からただ一人のせつ子を思いつめて成人した孤児の放二。それを知ってる礼子なら....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
る。そういうところにその強みがある。創造の能力がそこに見られるからである。鶴見の
少年期はそんな時代の波をくぐって来た。その一事を生涯のよろこびとすることを、彼は....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
々と苦しい悩みをまじえるようなものに移って行った。こうして子供の無邪気さを失い、
少年期が初まりかけるのだ。 私が「捨」という犬を病的な愛し方をしたのもこの頃だ....
「火の扉」より 著者:岸田国士
じめて剣をつつたのが、十四の年だ。幼年学校の五年、士官候補生を三年、これはおれの
少年期の最後と青年期の大部分をあげて、ひたすら偉大なる武人という夢を追つた時代だ....
「生活から学ぶ」より 著者:岸田国士
つたら、と思うような、ごく些細なことだが、案外人の気のつかない習慣を、わたくしは
少年期青年期を通じて植えつけられた。現在、老年に達しても、その習慣がさほどの無理....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
には、そういう快感は思い描くことができない。 豊富な量と旺盛な食慾。それは私が
少年期すぎて失ってしまったものでもある。 私はたしか昭和十六年であったと思うが....
「利根の尺鮎」より 著者:佐藤垢石
岩本と森下とが相対する峡流へは、六月上旬に姿を現わした。この時代には、もう若鮎は
少年期から青年期に移ろうとして、体躯に逞しい肉がついていた。 戸鹿野橋の下流で....
「私の洋画経歴」より 著者:小野佐世男
ド・ランタン」のファンタスティクのシーンは素晴しいものであった。 この頃、若い
少年期の青春発動を自分でもたまげるほど驚いた馬鹿にセンチメンタル時代に、連続映画....
「近頃感じたこと」より 著者:小川未明
芸の使命であり、人格的教育のたまものと考えています。殊に、文芸の必要なるべきは、
少年期の間であって、すでに成人に達すれば、娯楽として文芸を求むるにすぎません。し....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
他の二欲と違って、年齢により著しき消長があります。青年期から壮年期にかけて強く、
少年期はまだ現れず、老齢になるに及んで減退するものであります。この性欲の根本使命....