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少額
「少額〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
少額の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「あらくれ」より 著者:徳田秋声
の生活が、いくらか華美になって来たのが、お島にも目についた。養父の知らないような
少額の金や品物が、始終養母の手から私《そっ》と供給されていた。
お島はその年の....
「モルグ街の殺人事件」より 著者:佐々木直次郎
多少の財産を持っていた。――年(八年前)の春から彼の銀行と取引を始めた。ときどき
少額ずつ預け入れた。死亡の三日前までは少しも払い出したことはなかったが、その日彼....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
御秘蔵第一の竹流し分銅を融通したのが騒動の初まりでした。額は百分の一にも足りない
少額であったにしても、御封印厳重な曰く付きの竹流し分銅を他へ流通したとあっては、....
「新世帯」より 著者:徳田秋声
いうことまで、出来るだけ詳しく積って見た。一年の店の利益、貯金の額、利子なども最
少額に見積って、間違いのないところを、ほぼ見極めをつけて、幾年目にどれだけの資本....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
なに降っているのではないようである。而もそれは極めて切りつめられた殆んど致命的な
少額の研究費で維持されている研究なのである。処が陸海軍になると研究費は桁はずれて....
「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」より 著者:佐々木直次郎
は、前記エドワード・ハイドは直ちに前記ヘンリー・ジーキルの跡をつぎ、博士の家人に
少額の支払いをする以外には何らの負担も義務も負わなくともよいことを規定していた。....
「『井伏鱒二選集』後記」より 著者:太宰治
は井伏さんの作品から、その生活のあまりお楽でないように拝察せられたので、まことに
少額の為替など封入した。そうして井伏さんから、れいの律儀な文面の御返事をいただき....
「現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
法で、結構です。それでは、さっそく、本日、十万円だけ、いただきましょう。あんまり
少額で失礼ですが、よろしいですね」 「それは、もう、いったんお約束の上は、万事宿....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
商人の実際を相当理解しているはずの税務吏が、一般個人商店の経費や諸欠損をきわめて
少額に見積り、これと利鞘との差額を一割五分ありとなし、これを全部純益と認定して課....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
ど安定した印象をあたえているその鼻が、血書を差出した瞬間、ぴくりと動き、しかも多
少額の方にずれたように感じられたというのだから、およそ、その場の光景が察しられる....
「学校教育における図書館の利用」より 著者:佐野友三郎
十カ所の分館を設け郡の公立学校を書籍配給の仲介に充つ。全ての郡民はかくして極めて
少額の費用にて善良の読物の供給を受くることとなる。米国を通じて各郡ともこの種の郡....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
心配させるようなことは一切しませんでした。晩年は、世にある方たちには思いも寄らぬ
少額の恩給だけでの生活でしたが、家内中の誰も、それを不足だとは思いもしませんかっ....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
するの権あり。世話人と副世話人は檀家中より選定せるものにして無給なり。掃除人には
少額の金を付与す。 国教宗にて僧侶とならんと欲するものは、三項の性質を完備せざ....
「六号室」より 著者:瀬沼夏葉
長は考えながら云う。『例えば隅の別室を薬局に当てようと云うには、私の考では、極く
少額に見積っても五百|円は入りましょう、しかし余り不生産的な費用です。』 皆は....
「〔付〕唯物論研究に就て(戸坂潤手記)」より 著者:戸坂潤
部に、ひいては会各部の活動に事毎に影響するところ大なるに鑑み、会員中の有志からの
少額宛の出資(返済期限一年内外、利子年一割)を得、機関誌を会出版部の手によって発....