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尚の事
「尚の事〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
尚の事の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
はかけない、あれは譲り受けたのだから、どこへ売り払おうと僕の勝手だ」 「それなら
尚の事逃げ廻るには及ばんじゃないか。何か外に後暗い事があるに相違ない」 「そんな....
「爆弾太平記」より 著者:夢野久作
ウンウン。流石は商売人だけある。アハハハ。イヤ。馬鹿にしとる訳じゃない。そんなら
尚の事、話し甲斐があるんだ。……実は吾輩もこの問題に就いては千秋の遺恨を含んでい....
「焦点を合せる」より 著者:夢野久作
タ雑炊だ。トランクの中味がわかるまで君を釣っとくためのヨタだった……と云ったら、
尚の事、焦点がハッキリしやしないか。ハッハッハッ……ナニ……日本のスパイ船……僕....
「新釈諸国噺」より 著者:太宰治
味方です。いかにしても、きゃつを、このままでは。」と力めば、金内は、そう言われて
尚の事、悲しくうらめしく、しばらくは一言の言葉も出ず、声も無く慟哭していた。不仕....
「十姉妹」より 著者:山本勝治
大きい過ちでも犯したような自卑的な眼差しと物腰しを、狸寝の眇めに見せつけられて、
尚の事、不審を大きくした。不躾な祖父の追窮にも、父は誤魔化す様に笑うのみではっき....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
うに云うのです。なるほど理窟にはかなっていますが、それほど理窟にかなっているなら
尚の事地図を見せればよいのにどうしても見せようとしないのです」レザールはちょっと....
「廃墟(一幕)」より 著者:三好十郎
すべて、その一時でないことがありますかねえ。時にこうした有様の現在とあって見りゃ
尚の事。昨日は夢の如く、明日はどうなり行くか、双葉じゃないがアラアの神も御存じな....
「おりき」より 著者:三好十郎
をこぼしている自分を軽く笑い消して)いただいときやんしょう。そんなわけの物なら、
尚の事、大事にして。(掌の上のケースを額につけて、いただき、叮嚀に懐中へ) 青年....