尚早[語句情報] »
尚早
「尚早〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
尚早の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
様子で「オヤ高輪田さん貴方はあの朝、又も浦子さんに縁談を申し込んだのですか、私が
尚早いから気永く成さいとアレほど貴方に忠告して置きましたのに」高輪田「でも
尚早く....
「近時政論考」より 著者:陸羯南
なり、しかれども第二期に至り自由論派の父とも称すべき急激民権派に反対し「民選議院
尚早論」を唱えたるものは帝政論派の父たる折衷民権派なりき。されば帝政論派は議院尚....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
れて来た。彼の一足毎に空はヨリ黯くなった。彼は足を早めた。然し彼の足より雲の脚は
尚早かった。一の宮の渡を渡って分倍河原に来た頃は、空は真黒になって、北の方で殷々....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
である。インテリゲンチャを盲人蛇におじぬ底の楽観的な能動説によって規定することが
尚早の誤りであると共に、之を自己自身に無責任な悲観的な困惑説で以て片づけることも....
「暗黒公使」より 著者:夢野久作
々しく町巡りをなして帝国ホテルに引揚ぐべき花飾自動車が十数台整列しおりしも、時間
尚早のため運転手等は一人も乗車しおらず。逃走せる二十余名はここにて馬を乗放ち、こ....
「五〇年代の文学とそこにある問題」より 著者:宮本百合子
者階級の勝利、社会主義社会を展望する社会主義的リアリズムの創作方法を云々するのは
尚早であって、「人民的リアリズム」を提唱すべきであるという段階論を発表したりした....
「一票の教訓」より 著者:宮本百合子
。女なら女のことを解決するかもしれない、というぼんやりした婦人たちの期待は、時期
尚早のうちに強行された選挙準備のうちに、決して、慎重に政党の真意を計るところまで....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
採り、道理が許さねば之を棄てる――ただそれ丈である。若しもわれ等の述ぶる所が時期
尚早で、採用を憚るというなら、しばらく之を打ちすてて時期の到るを待つがよい。必ず....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
き勅令を、皇帝から得させようとつとめた。その特赦状を期待するのは目下のところまだ
尚早《しょうそう》に失するとしても、少なくとも彼女は、彼が故郷の町へ数日の旅をす....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
のようになっていろんなものが交じり合っていた。日々の感覚、幼な心の大きな苦しみ、
尚早な経験の痛ましい思い出、パリー臨時政府の物語、夜学や新聞小説や会合の演説など....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
め》であって、自己の全部をささげつくし、何物をも節約しなかったので、過度の理知と
尚早な狂的な勤労とのために憔悴《しょうすい》していた。莢《さや》から出たばかりで....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
歳ないし六十歳まで生きる者はほとんどない1)、と。ビュフォンはこの短命の理由を、
尚早な性関係及び若年からの過度の放蕩に帰している2)。この点については彼はおそら....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
したのであろう。そして、一八歳未満の青年の極めて多数が、徴兵忌避の目的をもって、
尚早にして結婚生活に入ったことは、周知のことに属する。これは極めて広く行われ、ま....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
も国事人事を憂えしめようという説は、理論として誰もこれを拒む者は無い。ただ時期が
尚早いとか手続きがまずいとか言って、反対している者があるだけである。その実現はま....
「若狭春鯖のなれずし」より 著者:北大路魯山人
ばの味を知らねば、さばを論じるわけにはいかない。春と言っても、三月ものは未だチト
尚早であるが、四月ものは脂の乗り塩梅が申し分なくたまらない。 私はこの春さばを....