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尚武
「尚武〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
尚武の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
、近所の菓子屋のカステラだった。父も、――如何に父は真事《まこと》しやかに「勤倹
尚武」を教えたであろう。父の教えた所によれば、古い一冊の玉篇の外に漢和辞典を買う....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
ぬ。事実上ないものの利害得失は勿論問題にはならぬ筈《はず》である。
勤倹
尚武
「勤倹
尚武」と言う成語位、無意味を極めているものはない。
尚武は国際的|奢....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
に現存している。それはある不思議な梅の木を保護するために掲げられた掲示であって、
尚武時代のすごいおかしみをもってわれらの心に訴える。梅花の美しさを述べた後「一枝....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
から……」と云って、「一四一四年|聖ガル寺発掘記」の他二冊を脇に取り除け、綸子と
尚武革を斜めに貼り混ぜた美々しい装幀の一冊を突き出すと、
「紋章学※」と検事は呆....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
恐れられるだろう。実にそれは命がけだからで。二百何十年の泰平に慣れた諸藩の武士が
尚武の気性のすでに失われていることを眼前に暴露して見せるのも、万一の節はひとかど....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
謂モダーニズムだが)に対する反感から出発して、一方勤倹主義に行くと平行して、他方
尚武主義に行くのである。即ちアンチ・モダーニズムとアンチ・フェミニズムという一双....
「征服の事実」より 著者:大杉栄
昔も、個人の勇敢ということよりも、むしろ、武器の機械的優劣によるものである。かつ
尚武心は発達した。野心深い酋長等は、互いに政略を競い始めた。 グンプロウィツと....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
研究室とは、二つの領主の領地と領地とのように対立し、外、学閥や時には閨閥のために
尚武的攻主同盟を形成し内師弟関係の利害感情によって家庭的淳風を馴致している。「わ....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
、或は男になったり、或は女になったりするとのことでございます。日本と申す国は古来
尚武の気性に富んだお国柄である為め、武芸、偵察、戦争の駈引等にすぐれた、つまり男....
「蚤」より 著者:斎藤茂吉
り居りしたものである。それほど寄宿寮には蚤が多かった。 学生らは、いわゆる勤倹
尚武だから、蚤なんかにまいってしまうような学生は学生でないような顔付をしたが、僕....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
駄洒落《だじゃれ》を並べて喜んでいた。しかるに初めて彼は、フランス人が尊重してる
尚武的な自由の意味を、おぼろに理解し始めた。それこそ理性の恐るべき刃《やいば》で....
「花咲ける石」より 著者:坂口安吾
かわしたが、敵する者が一人もなかったので、はじめて定住の気持を起した。そして山中
尚武の地、上野を選んで住んだ。上州に土着しての名を、藤井右門太という。天保元年、....
「加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
いうのはどんな国です?」 「日本は東洋の君子国ですよ。そうして人間は利口ですよ。
尚武の気象に富んでいます」 「チブロン島から近いのですか?」 「いいえ非常に遠い....
「謡曲と画題」より 著者:上村松園
ちゃんとした道義観とでもいうものがあって、人間のあゆむべき正しい道とか、あるいは
尚武剛気の気性を植えつけるとか、貞操の観念を強調するとか――とにかく謡曲のなかに....