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「尤物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

尤物の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
十二支考」より 著者:南方熊楠
よ」、豹殺し「父様有難くて冥加《みょうが》に余って誠にどうもどうも、しかしこんな尤物《べっぴん》に木を斫《き》ってやる人がござらぬ」、王「委細は先刻から承知の介....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
十七代連綿として相つづき、その最後の第十七代|松平上野介忠敏こそは、幕末剣客中の尤物で、神田講武所の師範代を長らく勤め、かの清川八郎なぞと共に、新徴組を組織して....
丹下左膳」より 著者:林不忘
ように俊敏に、草を踏みしだき、林をくぐり、いや、鳥のごとく天空をも翔《か》けんず尤物《ゆうぶつ》。 これをおいて、ほかにモデルはない。その足曳が、今この日光の....
煩悩秘文書」より 著者:林不忘
ぼさつ》のお臍が拝めたものを。わっはっは。」 また、ひとりが、 「いや、じつに尤物《ゆうぶつ》! 拙者は、送り狼の役を買って藤屋まで引っ返そう。」 下婢《げ....
元禄十三年」より 著者:林不忘
ち口を掛けておきましたところが、これも縁でございますな。いや、逸物《いちもつ》、尤物《ゆうぶつ》――なんぼ人形食いの殿様でも、これがお気に召しませんようでは、今....
四日間」より 著者:ガールシンフセヴォロド・ミハイロヴィチ
なら、寧そ早く片付けた方が勝ではあるまいか? 隣のの側に銃もある、而も英吉利製の尤物と見える。一寸手を延すだけの世話で、直ぐ埒が明く。皆打切らなかったと見えて、....
十二支考」より 著者:南方熊楠
、衆と同じく往き観て諸人に語る、この女後まさに五百男子と歓愛せんと、衆曰くかかる尤物《べっぴん》は五百人に愛さるるも奇とするに足らずと、三七日《さんしちにち》経....
十二支考」より 著者:南方熊楠
人は、半男女を不祥とし、生まれ次第海に投げ込んだが、後西暦一世紀には、半男女を、尤物《ゆうぶつ》の頂上として求め愛した。男女両相の最美な所を合成して作り上げた半....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
師自慢から思いついたのは、酒井左衛門尉の御寵愛《ごちょうあい》を蒙《こうむ》った尤物《ゆうぶつ》が、いま宿下りをして遊んでいることだ、それは佐内町の伊豆甚《いず....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
、悪源太義平の寵愛《ちょうあい》を受けた八重菊、八重牡丹の姉妹は、都にも稀れなる尤物《ゆうぶつ》であったそうな。また伝え聞く南朝の勇士、畑六郎左衛門|時能《とき....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
様の今に始めぬ色師自慢から思いついたのは、酒井左衛門尉の御寵愛を蒙《こうむ》った尤物《ゆうぶつ》が、いま宿下りをして遊んでいることだ。それは佐内町《さないちょう....
黒百合」より 著者:泉鏡花
くさと払い落して、 「止したまえ。」 「ははは、構わん、遣れ。あの花売は未曾有の尤物じゃ、また貴様が不可なければ私が占めよう。」 「大分、御意見とは違いますよう....
南国太平記」より 著者:直木三十五
らをかいて、坐ってしまった。帆は、十分に風をはらんでいた。 「ほほう、これは、尤物《ゆうぶつ》だ」 有村が、入ると、深雪を見て、益満へ、こういった。深雪は、....
備前天一坊」より 著者:江見水蔭
馴染の証拠。 「したが、女中は山猿でも、当家の娘は竜宮の乙姫が世話に砕けたという尤物。京大阪にもちょっとあれだけの美人は御座るまいて」と黒い浪人は声を潜めながら....
かくれんぼ」より 著者:斎藤緑雨
の男はもどかしがりさてこの土地の奇麗のと言えば、あるある島田には間があれど小春は尤物介添えは大吉婆呼びにやれと命ずるをまだ来ぬ先から俊雄は卒業証書授与式以来の胸....