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尨毛
「尨毛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
尨毛の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「爛」より 著者:徳田秋声
の家のすぐ近くの通りをうろついている犬に、細君はふと心を惹かれた。その犬の狐色の
尨毛や、鼻頭の斑点などが、細君の目にも見覚えがあった。犬は浅井について時々自分の....
「禰宜様宮田」より 著者:宮本百合子
のいいような快さを感じるとともに、年に似合わない単純さに、罪のない愛情を感じて、
尨毛《むくげ》だらけの耳朶《みみたぶ》を眺めながら自ずと微笑《ほほえ》まれるよう....
「六月」より 著者:相馬泰三
社員の一人一人について眺めて行った。最初に彼の目にとまったのは、彼が自分だけで「
尨毛の猟犬」と仇名を与えている二面の主任のKさんであった。彼はすぐ腹の中で初めた....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
び出した大きい黒い眼、薄赤い眼瞼《まぶた》、白い睫毛《まつげ》、額に縮れてる白い
尨毛《むくげ》、紫色の鼻、X形の足、――百姓のもって行く仔羊が、いっしょに縛られ....
「天才」より 著者:神西清
ことの十分の一しか言ってないような気がする。彼女は眼を涙でいっぱいにして、画家の
尨毛の頭に見入っている。見ていると悲しくもあり嬉しくもある。エゴール・サヴィチは....