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尺八
「尺八〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
尺八の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ち竹名《ちくめい》を許されたという証印の書き物を所持している筈であるが、彼らは、
尺八、天蓋、袈裟などの宗具のほかには、何物も所持していなかった。懐剣や紙入れのた....
「秋の暈」より 著者:織田作之助
明けの美しいのはやはり秋、ことに夏から秋へ移ろうとする頃の夜明けであろう。 五
尺八寸、十三貫、すなわち痩せているせいで暑さに強い私は、裸で夜をすごすということ....
「食魔」より 著者:岡本かの子
っている。その控室の方に当っては、もはや、午後の演奏の支度にかかっているらしく、
尺八に対して音締めを直している琴や胡弓の音が、音のこぼれもののように聞えて来る。....
「出奔」より 著者:伊藤野枝
を食うとしばらく休んで、たいてい毎晩のように三味線を弄ぶか歌沢をうたう。あるいは
尺八を吹く。それから読む。そうするとたちまち十時頃になってしまう。なにか書くのは....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
府屋から出る緋縅の武者を見た。床屋の店に立掛ったのは五人男の随一人、だてにさした
尺八に、雁がねと札を着けた。犬だって浮かれている。石垣下には、鶩が、がいがいと鳴....
「鯉」より 著者:岡本綺堂
持ち出して、さんざん追いまわした挙句に、どうにか生捕ってみると、何とその長さは三
尺八寸、やがて四尺に近い大物であった。で、みんなもあっとおどろいた。 「これは池....
「北斗帖」より 著者:違星北斗
川は昨日の雨で水濁り コタンの昔囁きつ行く 平取はアイヌの旧都懐しみ 義経神社で
尺八を吹く
尺八で追分節を吹き流し 平取橋の長きを渡る 崩御の報二日も経ってやっ....
「瘤」より 著者:犬田卯
たり、やがて自分の屋敷へ道場を建てて付近の青年に教えたり、自称三段のこの先生は五
尺八寸という雄偉なる体躯にものに興味を覚え、そして運動員として乗り出し、この地の....
「女の話・花の話」より 著者:上村松園
その埋め合せと申すのでもありませんが、今度は何か描いてみようと思い立ちまして、二
尺八寸幅の横物に、明治十二、三年から四、五年どこの、女風俗を画いております。 ....
「昔のことなど」より 著者:上村松園
そこでお話がありました。御池に行くようになって暫くしてからのことですが、ある時、
尺八か尺五かの水墨の「寒山拾得」が枠張のまま立て掛けてありました。古画のようでそ....
「斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
。当時は正岡子規がマダ学生で世間に顔出しせず、紅葉が淡島寒月にかぶれて「稲妻や二
尺八寸ソリャこそ抜いた」というような字余りの談林風を吹かして世間を煙に巻いていた....
「古い記憶を辿って」より 著者:上村松園
時春挙さんが、海辺に童子のいる絵を描かれました。私はその時、〈月下美人〉という、
尺八寸位の大きさの絹本に、勾欄のところに美人がいる絵を描いて出しました。それが、....
「栖鳳先生を憶う」より 著者:上村松園
教えて頂くようになりましたのどす。その時分に何だかの寄付画であったと思いますが、
尺八位の絹地に栖鳳先生が〈寒山拾得〉を描かれましたが、それを見て大そう感心しまし....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
ころにも警官が押寄せたが、その時、私の前に立ちふさがり、私をかばってくれたのが五
尺八寸、二十数貫という巨漢佐藤清吉君であった。佐藤君は相撲取りをしたことがあり、....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
った。 貸し主の老夫婦は唐紙一つ向こうの六畳に住んでいる。じいさんは夜になると
尺八をふところに家を出ていく。飲食店の門口などに立って
尺八を吹き金をもらうのだ。....