尺取[語句情報] »
尺取
「尺取〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
尺取の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「城のある町にて」より 著者:梶井基次郎
杏《いちょう》の木がその上に生えている気持。風が来ると草がさわぐ。そして、御覧。
尺取虫が枝から枝を葡《は》っている。 この二つをおまえにあげる。まだできあがらな....
「続黄梁」より 著者:田中貢太郎
ちに時間が経つと体の重みで刃の孔がだんだん闊くなって、たちまち脱け落ちて、手足は
尺取虫のように屈んでしまった。 鬼はまた曾をおいたてて往って王を見た。王は曾が....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
どっちについていいか見当のつかない鼓の与の公。 おっかなビックリで訪ねて行った
尺取り横町のお藤姐御の家には貸家札がななめに貼られて……。 近処の人に、それと....
「風琴と魚の町」より 著者:林芙美子
そうかや」と、度々優しく返事をした。 「百姓《ひゃくしょう》は馬鹿《ばか》だな、
尺取虫《しゃくとりむし》に土瓶《どびん》を引っかけるてかい?」 「
尺取虫が木の枝....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
服していたのである。
道路係りは岨路《そばみち》にかかっていた。葉末にかかった
尺取り虫のようにうろうろした。測量係りが刻した印しを目あてにして山を削り谷を埋め....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
を染めるらしい。草に頸を擦着け擦着け、 (お助け下さい、お助け!)…… と頭で
尺取って、じりじりと後退り、――どうやらちっと、緊めつけられた手足の筋の弛んだ処....
「亀さん」より 著者:林芙美子
。村長の部屋の前には龜さんのような旅のものが列をして待っていました。日傘を持った
尺取り蟲だの、迷子になった小さい子供蛇だの、籠を背負ったもぐらのお婆さん、帽子を....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
きんせん》の葉を、肘ひとつでことごとく横に払って、一つも身に受けないという……。
尺取《しゃくと》り横町《よこちょう》
一
なんでも芸はそうで、ちょいと頭....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
いって、それが葉隠の大眼目なんだ。武士道、忠孝、大慈悲、この四つを神仏に念じて、
尺取虫のようにじりじりと進んで行こうというのだ。しかし、四誓願といっても四つがべ....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
の玉は真赤になって、 (何を、何を。) ッていいながら、左の肩で寸法を取って、
尺取虫のように、じりり、じりり。 (愛吉さん。) 五合ふるまわれたお庇にゃ、名....
「年中行事覚書」より 著者:柳田国男
なしに続くという不思議の力であった。この女が布を機から卸して物差で測り出すと、何
尺取ってもその跡がまだ残っている。それでたちまち大金持になってしまった。 悪い....