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尺地
「尺地〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
尺地の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
排して、装飾の一つに応用するなど、捌け口はいよいよ広くなりゆく。 都会の膨脹が
尺地をも余さず、庭というもの店舗を有する人々には次第に失われ行くにつれて、かれら....
「新疆所感」より 著者:日野強
これがためにはあらゆる手段と方法とを講じて、着々その目的に向いて邁進し、また寸壌
尺地の微といえどもこれを等閑に付することなし。新疆の如きまた彼が多年垂涎する所に....
「墓」より 著者:正岡子規
の後は人事不省だった。少し今、ガタという音で始めて気がついたが、いよいよこりゃ三
尺地の下に埋められたと見えるテ。静かだッて淋しいッてまるで娑婆《しゃば》でいう寂....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
をつなぐ」 「たいへんだなあ」 「元よりここは道場だ。ここに麦の穂を見ぬうちは、
尺地も退かぬぞ」 水を一方に導き、堰を築き、石ころを退けて、幾十日の後には、や....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
つけるように、飛びかかって行った。 槍が槍の働きを十分に示すには、秒間の時と、
尺地の距離とが要る。 構えてはいたが―― また、せつなを外さず、繰手を伸ばし....
「三国志」より 著者:吉川英治
三度、鬨の声をあわせて野をゆるがした。 野火は燃えひろがるばかりで賊徒らの住む
尺地も余さなかった。賊の大軍は、ほとんど、秋風に舞う木の葉のように四散した。 「....
「三国志」より 著者:吉川英治
その曹操が前後には、彼の股肱とする大将旗下がおのおの武器をたずさえ、豪歩簇擁、
尺地もあまさぬばかり続いて行くので、朝廷の公卿百官は、帝の側近くに従うこともでき....
「三国志」より 著者:吉川英治
の新手をもって鍾※に代り、堅く守って、 「われわれが参ったからには、これから先、
尺地も敵に踏みこませることではない」 と、曹操の来着を待っていた。 西涼の軍....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
者と。 その元成は、 「次の横死は、わが身の番か」 と、冬日の下にも身をおく
尺地すらないような恐怖に、日々追いつめられていた。 また、世間の声を聞いては、....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
新手の加勢に、鼻をあかせられるな」 軍議も早々、総軍はわれがちに谷へせまった。
尺地もみえないほど、千早の下を兵で埋めつくした。 新手の軍は、すべて千早の苛烈....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
智の滝本堂にかくれていました。――しかし、どこへ行っても、紅白二つの地でない所は
尺地もない。熊野も平家勢力と地下源氏の相剋の外にある仙境などではあり得ませんでし....