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尺寸
「尺寸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
尺寸の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
から》めた細引縄に、長々と谷間伝いを根限り戻り舟を牽《ひ》いて来る。水行くほかに
尺寸《せきすん》の余地だに見出《みいだ》しがたき岸辺を、石に飛び、岩に這《は》う....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
いち》を製造するために彼等人類はどのくらいの労力を費《つい》やしているかと云うと
尺寸《せきすん》の手伝もしておらぬではないか。自分が製造しておらぬものを自分の所....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
廠に通う夫婦者の職工を棲まわせ、己れ一人は三階の四畳半に独居の不自由を自由とし、
尺寸の屋上庭園には十数鉢の盆栽をならべて間がな隙がなその手いれを怠らず、業余には....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
も不幸のうちにも、彼らはたえずその土地を耕しつづけている。そして何物でも、たとい
尺寸の地面でも、彼らにとっては親愛なのだ。」 クリストフはうちながめた。道路の....
「妖怪学」より 著者:井上円了
、自宅においても前後数回、試験を施したることありき。その試験の成績によるに、竹の
尺寸、風呂敷の有無、さらに関係なきものなり。はじめに帝国大学学生四、五名とこれを....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
を窺う事は出来た。 椿岳の画は大津絵でも鳥羽絵でもない、蕪村でも大雅でもない。
尺寸の小幀でも椿岳一個の生命を宿している。古人の先蹤を追った歌舞伎十八番のような....
「三国志」より 著者:吉川英治
て贈った。 けれど趙雲は固く辞してそれを受けない。そしていうには、 「三軍いま
尺寸の功もなく、帰するところそれがしらの罪も軽くありません。さるをかえって恩賞に....
「三国志」より 著者:吉川英治
ハ、外ニ任アリ。別ノ調度ナク、身ニ随ウノ衣食、悉ク官ニ仰ゲリ。別ニ生ヲ治メテ以テ
尺寸ヲ長ズルナシ。モシ臣死スルノ日ハ、内ニ余帛アリ、外ニ贏財アラシメテ、以テ、陛....
「失うた帳面を記憶力で書き復した人」より 著者:南方熊楠
「陳諫なる者、市人にて強記なり。たちまち染人が、歳ごとに染むるところの綾帛の尋丈
尺寸を籍して簿となし、合囲するに遇う。諫、泛覧してことごとくこれを記す。州県の籍....
「特殊部落と細民部落・密集部落」より 著者:喜田貞吉
口増殖」中に述べた通りであって、もとは相当の田畑を部落内に有していたものも、今は
尺寸の耕地を余さなくなっているのが常である。京都川崎村すなわち今の田中の部落の如....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
て下り始める、茫々たる霧は雪と溶け合って、涯りの知れない鼠色の天地は、眼のあたり
尺寸の間に限られて、五、六歩の先に立った南日君の姿さえ掻き消すように失せている。....