尻切れ草履[語句情報] » 尻切れ草履

「尻切れ草履〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

尻切れ草履の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
出世」より 著者:菊池寛
っているかも知れないあの大男は、一体どんな気持ちで自分の下駄を預かるだろう。あの尻切れ草履を預けて、下足札を貰えなかった自分と、今の自分とは夢のようにかけはなれ....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
頬かむりに弥造をこしらえて、ふるえながら歩いている影がある。 ぺたりぺたりと尻切れ草履で、ほこりを立てながら、いかにもひもじそうに歩いて行く奴がある。 そ....
丹下左膳」より 著者:林不忘
ことだった。 合惣《がっそう》を肩までたらし、むしろのような素袷《すあわせ》に尻切れ草履《ぞうり》。貧乏徳利をぶらさげて、闇につっ立っている泰軒先生――……こ....
雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
いう表情で、ちらりと見たッきり、二度と目もくれない。 雪之丞は、ありあわせた、尻切れ草履を穿《は》いたまま、寒風が、黒く吹いている通りへ出て、少し行って、辻か....
丹下左膳」より 著者:林不忘
っている。 あわてた与吉が、ふと向うを見ると、こけ猿の包みを抱えたチョビ安が、尻切れ草履の裏を背中に見せて、雲をかすみととんでゆくのだ。 安積玄心斎の一行は....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
えて、阿弥陀堂から出て行った。 笠は、天蓋ではない、当りまえの竹の子笠である、尻切れ草履をびたびた摺って、雨さえ降らなければ、町へ行乞に出かけるのだった。案山....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
から、それまで、気をしっかりしていなよ。いいかい!」 と、中で、年の若い男が、尻切れ草履を突ッかけて、あたふたと、長屋の路次を飛びだして行った。 ....