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「尻馬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

尻馬の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
は徹夜しても片付けろと、八溝山をこえて那須野《なすの》ヶ|原《はら》まで、一行の尻馬に跟《つ》いてお伴をする事に相成った。 翌日午前七時、昨日《きのう》までの....
私の個人主義」より 著者:夏目漱石
るベルグソンでもオイケンでもみんな向《むこ》うの人がとやかくいうので日本人もその尻馬《しりうま》に乗って騒《さわ》ぐのです。ましてその頃は西洋人のいう事だと云え....
趣味の遺伝」より 著者:夏目漱石
た当時からそら来たなとまで覚悟をしていたくらいだから周囲のものがワーと云うや否や尻馬《しりうま》についてすぐやろうと実は舌の根まで出しかけたのである。出しかけた....
動かぬ鯨群」より 著者:大阪圭吉
とを勝手に喋舌って、それから先が判らなくなると、「鯨の祟り」を持出した。そいつの尻馬に乗ってマドロス達は、同じように勝手な憶測ばかり撒き散らして、なんの役にも立....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
よ。」 との言葉を残して、翌朝早く正香は馬籠を立とうとしていた。頼んで置いた軽尻馬も来た。馬の口をとる村の男はそれを半蔵の家の門内まで引き入れ、表玄関の式台の....
社会時評」より 著者:戸坂潤
×したりなんかしたくならないとも限らない。だからこの上、新聞の一種の煽動的報道の尻馬に乗って、ウッカリ犯人××というような犯罪を犯さないために、五・一五事件とい....
現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
会は該教授の京大行きは教授の学者的良心に悖るという意向であるらしい。 「世論」の尻馬に乗って国体明徴の提案を党是として朗読演説をやったのは政友会総裁鈴木喜三郎氏....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
人の先に立てばといって、後を追うような真似は決して致しませんからね。よその人気の尻馬《しりうま》に乗って人真似をして、柳の下の鰌《どじょう》を覘《ねら》うような....
カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
ただけの長老制度なるものに対して、非常な先入観をいだいていたので、他の多くの者の尻馬に乗って、有害な改革だと決めてしまったのである。この修道院に一日、滞在するう....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
な便利な方法を流行さした。大言壮語の題目だと巧みなる者らはいう。大言壮語だとその尻馬《しりうま》に乗った者らは繰り返す。かくて、ジャン・ジャック・ルーソーも壮語....
程よい人」より 著者:豊島与志雄
益を得る事例もあると、黒川が説明してくれたことを、私も承認する。だから、私が彼の尻馬に乗ったとて、非難されるには当るまい。その上、部隊解散のあの当時と同じく、私....
次郎物語」より 著者:下村湖人
癪だったうえに、自分もついそれに署名しなければならないはめになり、いかにも次郎の尻馬に乗せられたような恰好になってしまったのが、何としても腹におさまりかねていた....
三枚続」より 著者:泉鏡花
たお前も私あ嬉しい。理窟はなしにとぼけていて飛んだ可いが、いや、大人気もなくその尻馬に乗って、利のつく金を若干と痛んだ、この遠山先生も悪くはあるまい、」と金之助....
不在地主」より 著者:小林多喜二
、何年もの間の「掛」をたった今払ってもらおうと、おどかした。 「社会主義者どもの尻馬に乗って、日本の尊い遺風にキズをつける大不忠者!」 店先きで怒鳴りつけられ....
カン」より 著者:長谷川伸
むかし俳句を少し許りやったときの先達は、山本蕗庵、庄司瓦全、伊藤御春たどの諸氏で尻馬にのせてもらった私は、俳諧の本など一冊も読んだことがなく、『猿蓑集』というも....