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尽かす
「尽かす〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
尽かすの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
にばかりわれにもなく鋭く働くようになっていた。倉地は疑いもなく自分の病気に愛想を
尽かすだろう。たといそんな事はないとしても入院の期間に倉地の肉の要求が倉地を思わ....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
《あ》おうとも唾《つば》もしかけんな。しかし長年の贔屓であってみれば、まず愛想を
尽かす前に十分勧告をして、卑怯《ひきょう》千万な虚偽の申し立てなどは、命に換えて....
「坑夫」より 著者:夏目漱石
た。気の毒がるだろうか、泣くだろうか、それともあさましいと云って愛想《あいそ》を
尽かすだろうかと疑って見たが、これは難なく気の毒がって、泣くに違ないと結論してし....
「道草」より 著者:夏目漱石
。ただ無言のうちに愛想《あいそう》を尽かした。そうして親身の兄や姉に対して愛想を
尽かす事が、彼らに取って一番|非道《ひど》い刑罰に違なかろうと判断した。 「そん....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
めに造られた宇宙機関の運動について何らの確実なものをも把握しなかったことに愛想を
尽かすようになった。それで私は手の届く限りあらゆる哲学者の著書を新たに読み直し、....
「浮雲」より 著者:二葉亭四迷
お》いて、黙然《もくぜん》として腕を拱《く》んだ。 叔母ですら愛想《あいそ》を
尽かすに、親なればこそ子なればこそ、ふがいないと云ッて愚痴をも溢さず茶断までして....
「創作人物の名前について」より 著者:夢野久作
を付けているらしい他人の創作なぞを読んでいる中に、つくづく自分の無器用さに愛想を
尽かす事さえある。 仰向けに引っくり返って太平楽を並べている読者諸君にコンナ愚....
「近世快人伝」より 著者:夢野久作
ハ。鰒の方が中毒ろうバイ』 『しかしこの死態をば情婦い見せたナラ、大概の奴が愛想
尽かすばい。眼球をばデングリ返いて、鼻汁垂れカブって、涎流っとる面相あドウかいナ....
「別れたる妻に送る手紙」より 著者:近松秋江
あ……言わないで置こうかッ。」と一つ舌打ちをして、「言ったら、さぞあなたが愛想を
尽かすだろうなあ!」と独りで思案にくれて、とつおいつしている。私は、やゝ心元なく....