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「尽る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

尽るの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
道草」より 著者:夏目漱石
った青田と、その青田の間を走る真直《まっすぐ》な径《こみち》とを思い出した。田の尽る所には三、四軒の藁葺屋根《わらぶきやね》が見えた。菅笠《すげがさ》を脱いで床....
後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
すれば、慈悲深き神様は其方の未来を加護し給うぞ、さらりと悪心を去って静かに命数の尽るを待て」 吉「あ、あ、有難うがす、私も今更|発心しました、死ぬる命は惜みま....
ねじくり博士」より 著者:幸田露伴
けりゃならないが、実は新聞なんぞにかけるような小さな話しではなし一朝一夕の座談に尽る事ではないから、少しチョッピリにしておくよ。一体死とはなんだ、僕は世界に死と....
二十六夜」より 著者:宮沢賢治
》に梟身を得《う》、審《つまびらか》に諸の苦患《くげん》を被《こうむ》りて、又|尽ることなし。」 俄かに声が絶え、林の中はしぃんとなりました。ただかすかなかす....
草紅葉」より 著者:永井荷風
後に逢う二度目の秋も忽ち末近くなって来た。去年の秋はこれを岡山の西郊に迎え、その尽るのを熱海に送った。今年|下総葛飾《しもうさかつしか》の田園にわたくしは日ごと....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
てある。これなども山※を取押えた人の実話だ。まあ、聞き給え。」 忠一の研究談は尽る所を知らなかった。人々も耳を澄していた。 「何でも西暦千七百二十年頃の事だ。....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
。この様子を、般若心経は実に要領よく道破しております。 「無明もなく、また無明の尽ることもなく」、無明とは、人間の不明の心で、人世に誤解をなさしむる元であります....
黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
は片足を股まで蹈み抜いて、危く落ち込みそうになった体を杖を横に倒して支えた。雪が尽ると白根葵の咲いている黒土の斜面を少し登って大岩の根方に取り付く。目で練習した....
黒部川を遡る 」より 著者:木暮理太郎
の草木が生えている。あすこは登れそうだなと助七に問えば、登れると答えた。 林が尽ると、薬研を少し伏せて立てたように抉れ落ちた懸崖の上に出た。川に下って近道を取....