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「尾を引く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

尾を引くの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
河口湖」より 著者:伊藤左千夫
てきた。舟津も木立ちも消えそうになってきた。キィーキィーの櫓声となめらかな水面に尾を引く舟足と、立ってる老爺と座しておる予とが、わずかに消しのこされている。 ....
火星兵団」より 著者:海野十三
いだとあって、人々は、夕暮間もなく、西の地平線の上に、うすぼんやりとあやしい光の尾を引くモロー彗星のすがたを、気味わるく、そうして、また恐しく眺めつくすのであっ....
田原氏の犯罪」より 著者:豊島与志雄
らない。一度やったことは二度やり易いものだ。いいかね、一度行われたことは、後まで尾を引くものだ。それをよく考えておいてくれなくてはいけない。此度のことは君のため....
反抗」より 著者:豊島与志雄
の運命にまつわってる陰影のことを考えていた。話は数年前のことであったが、未来長く尾を引くもののように感じられた。その上、村田の話に洩れた何かが、より重大な何かが....
大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
丈あまりも飛び上った。と、体が細まりくびれ、煙のように朦朧となり、やがてあたかも尾を引くように、壺の中に入って行った。 「見事々々!」と樵夫どもは、手を叩いて喝....
知識と政治との遊離」より 著者:中井正一
的忍苦、スパルタ的教養、プロテスタンティズムにも流れており、ヨーマン層的倫理にも尾を引くとともに、また一歩方向を変えれば、東洋的、老子的、竹林の七賢の如き、逸人....
次郎物語」より 著者:下村湖人
て、急に口をつぐんでしまったことがあった。しかし、そんな時のいやな気持も、あとに尾を引くというようなことは、この頃ではもう全くなくなっていた。そして、その理由を....
次郎物語」より 著者:下村湖人
定しているのだ。ぼくの生活理想も、恋愛も。……そしておそらくそれは将来にもながく尾を引くことであろう。いや、あるいはぼくの一生がすでにそれによって決定されてしま....
光は影を」より 著者:岸田国士
、京野等志は、大きく伸びをした。なんだ、そうか、という失望に似た気持と、その後に尾を引く胸苦しいまでの悔恨とが、彼をしばらく、冷熱相交る感情のなかにさ迷わせたの....
魔像」より 著者:林不忘
あるじ》長岡頼母である。 「むッ!」 ものを言うひまはない。おめきざま、一剣、尾を引くと見えて喬之助の胴へ――極まったか! に思われた秒刻、ガッ! 柄《つか》....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
内へ引き返して来て促すように長なきする。雨の音、風の響きに混って、消えそうにして尾を引く甚右衛門の遠吼えは、この場合、下手な人間の舌以上に雄弁であった。それは、....