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尾を振る
「尾を振る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
尾を振るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
偽善者と言われている他の塾生と同列に見られたくないからだろうか? それとも主人に
尾を振るのがいやなためか? 塾長の機嫌を取りたくないためだろうか? ――この考え....
「新版 放浪記」より 著者:林芙美子
まで道連れになって戴《いただ》けませんでしょうか?」
今は一生懸命である。私は
尾を振る犬のように走って行くと、その職人体の男にすがってみた。
「私も使いがおそ....
「超人鬚野博士」より 著者:夢野久作
ラに乾いてしまって、瞳孔の開いた眼脂だらけの眼で悲しそうに吾輩を見上げているが尻
尾を振る元気も無いらしい。一体これはどうした事かと、明るい窓の下へ持って行ってよ....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
とは別にしてしかも同源の語で、腰を動かすてふ本義だ。所詮《しょせん》鶺鴒の絶えず
尾を振るごとくせば、御馬の術も上達すてふ徴象で、さてこそ馬の災を除く猴とこの鳥を....
「マクシム・ゴーリキイの伝記」より 著者:宮本百合子
同じこった。軛《くびき》をかけられるか、つぶしにされるんだ。それでいて御本人は尻
尾を振るばっかりと来ていらあ」 スムールイの云う言葉は、ゴーリキイの感受性の鋭....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
て行ったあとで、米友は、 「ムク」 うるみきった大きな眼と、真黒い中で、真黒い
尾を振る姿を見て、 「ムク、手前は強い犬だったなあ、昔もそうだったから今もそうだ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
》の下で竜之助は、犬を呼んで物を言う。 「おれと一緒にどこまでも行くか」 犬が
尾を振る。 「よし、おれの眼の見える間は跟《つ》いて来い、眼が悪くなった時は、先....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
観念のせいだろうか。そうばかりは云えない。国民は今日、ちょうど犬のようなものだ。
尾を振ることや芸をして見せることは人間並みに覚え込んでも、やはり動物としての本能....
「犬のはじまり」より 著者:宮本百合子
「パッピー、パッピー」 と手を出すと、黒いぬれた鼻をこすりつけて、一層盛に
尾を振る。 「野良犬ではないらしいわね。どうなすったの?」 「つい其処に居たん....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
した」
忠相はのんびりとした顔つきで、また、部屋のなかから犬に話しかけた。黒は
尾を振る。
春日|遅々《ちち》として、のどかな画面。
ようよう茶ばなしがすん....
「桜の園」より 著者:神西清
どだい無理なんだが、下世話にもいうとおり、おつきあいなら吠えないまでも、せめて尻
尾を振るがよい――だからな。丈夫なことといったら、わたしは馬もはだしさ。わたしの....
「博物誌」より 著者:岸田国士
たもののある所を動かない。 彼は、一口も残すまいとする。 落着かなくなって尻
尾を振るでもない。 雹がからだにばらばらと当ると、ようやく、それも不承不承|唸....
「放浪記(初出)」より 著者:林芙美子
出でになるところまで道連れになって戴けませんでしょうか?」 今は一生懸命、私は
尾を振る犬のように走って行くと、その職人体の男にすがった。 「使いがおそくなった....
「おじいさんの家」より 著者:小川未明
せわしそうに波立て、苦しい息をしていました。そうして、もう呼んでも、起き上がって
尾を振ることもできなかったのであります。 「あんまり、おまえがほえるものだから、....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
て、位階が欲しい、いかめしき官職名にありつきたい、また昇殿の栄を欲しがっている。
尾を振る犬のごとく、衣冠の餌には、右往左往するのがつねだ。そこが武家操縦をねらう....