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「居乍ら〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

居乍らの前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
職工と微笑」より 著者:松永延造
らなかった。 病院は愈よ維持の困難を感じていた。院長はあんなに大きな借財をして居乍ら、何うしてあんなに呑気にしていたか? 此の点は私の大きな疑問となって残った....
陳情書」より 著者:西尾正
ました。…… 偖《さて》、斯《こ》うして家庭が貧困の裡《うち》に喘《あえ》いで居乍らも、金さえ這入れば私は酒と女に耽溺する事を忘れませんでした。病的婬乱症《ニ....
日記」より 著者:宮本百合子
、彼は真個の心持になれないのだろう。床に入ってから、Aにしっかり抱かれて顔を見て居乍ら、自分には不思議な疑いが生じて来た。其は斯うだ。人間の一人の男に、一人の女....
日記」より 著者:宮本百合子
なかった理解に達した心持がした。つまり、私が、仕事を真先に立て、Aもそれは認めて居乍ら、自分の心持が徹底しない為に、仕事専一になり切らない、と云うこと。私がAの....
ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
じらしく見えた。 四 人を煽てに乗せることをよくない趣味と心得て居乍ら、而も職業としては悪びれず、何処迄もそれを最上の商法信条とする。これがフラ....
偽刑事」より 著者:川田功
私の潔白さを立派に知らせて見せましょう。いくら探偵が商売だって、高が私立の探偵で居乍ら、何の権利がありますか」紅色の滲んだ眼を上げた。美しいが故に物凄い。 最....