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居心
「居心〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
居心の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「母」より 著者:芥川竜之介
ね、好《い》いでしょう。……いけなくて?」
「しかし前の部屋よりは、広くもあるし
居心《いごころ》も好《い》いし、不足を云う理由はないんだから、――それとも何か嫌....
「河童」より 著者:芥川竜之介
らしました。これは一つにはその倶楽部はトックの属している超人倶楽部よりもはるかに
居心《いごころ》のよかったためです。のみならずまたゲエルの話は哲学者のマッグの話....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
《シナ》の書棚だの蘭《らん》の鉢だの、煎茶家《せんちゃか》めいた装飾があるのも、
居心《いごころ》の好《よ》い空気をつくっていた。
玄象道人は頭を剃《そ》った、....
「路上」より 著者:芥川竜之介
な西洋机《デスク》や安楽椅子の類を持ちこんで、見た眼には多少狭苦しいが、とにかく
居心《いごころ》は悪くない程度の西洋風な書斎を拵《こしら》え上げた。が、書斎を飾....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
こぶ》る滑稽《こっけい》である。
又
天才の悲劇は「小ぢんまりした、
居心の好い名声」を与えられることである。
又
耶蘇《やそ》「我笛吹け....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
にしました。すると御主人は昔のように、優しい微笑を御見せになりながら、
「しかし
居心《いごころ》は悪くない住居じゃ。寝所《ねどころ》もお前には不自由はさせぬ。で....
「或る女」より 著者:有島武郎
へや》にはいった。そこは伝染病室とは比べものにもならないくらい新式の設備の整った
居心地《いごこち》のいい所だった。窓の前の庭はまだ掘りくり返したままで赤土の上に....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
作料の軽減を実行させ、自分も農場にいつづき、小作者の感情をも柔らげて少しは自分を
居心地よくしようと思ったのだ。彼れは汽車の中で自分のいい分を十分に考えようとした....
「片信」より 著者:有島武郎
たろうと思うよ。相当にぜいたくのできる生活をして、こういう態度に出るほど今の世に
居心地のよい座席はちょっとあるまいと思われるから。自己の心情の矛盾に対して、平ら....
「星座」より 著者:有島武郎
れていたのだ。
何をどういったか、そのあとはよく分らなかったが、渡瀬はとにかく
居心地がいやに悪くなって、尻から追いたてられるように急いでおぬいさんの家を飛びだ....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
からどこまでまっ黒にすすけながら、だだっ広い囲炉裏の間はきちんと片付けてあって、
居心よさそうにしつらえてある。嫂や妹の心づくしを君はすぐ感じてうれしく思いながら....
「親子」より 著者:有島武郎
だような言い振りで問いつめて行った。彼はこの場合、懐手をして二人の折衝を傍観する
居心地の悪い立場にあった。その代わり、彼は生まれてはじめて、父が商売上のかけひき....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
だった。私は長い間の無益な動乱の後に始めて些かの安定を自分の衷に見出した。ここは
居心がいい。仕事を始めるに当って、先ず坐り心地のいい一脚の椅子を得たように思う。....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
八 小父者はなぜか調子を沈めて、 「ああ、よく言った。俺を弥次郎兵衛は難有い。
居心は可、酒は可。これで喜多八さえ一所だったら、膝栗毛を正のもので、太平の民とな....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
しばらくしてまたこちらへとて奥まりたる座敷にいざなわれたり。雅潔なる座敷の飾りに
居心落付かず、見じと思えど四方の見らるるに、葛布にて張りたる襖しとやかに明きて清....