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居心地
「居心地〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
居心地の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
へや》にはいった。そこは伝染病室とは比べものにもならないくらい新式の設備の整った
居心地《いごこち》のいい所だった。窓の前の庭はまだ掘りくり返したままで赤土の上に....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
作料の軽減を実行させ、自分も農場にいつづき、小作者の感情をも柔らげて少しは自分を
居心地よくしようと思ったのだ。彼れは汽車の中で自分のいい分を十分に考えようとした....
「片信」より 著者:有島武郎
たろうと思うよ。相当にぜいたくのできる生活をして、こういう態度に出るほど今の世に
居心地のよい座席はちょっとあるまいと思われるから。自己の心情の矛盾に対して、平ら....
「星座」より 著者:有島武郎
れていたのだ。
何をどういったか、そのあとはよく分らなかったが、渡瀬はとにかく
居心地がいやに悪くなって、尻から追いたてられるように急いでおぬいさんの家を飛びだ....
「親子」より 著者:有島武郎
だような言い振りで問いつめて行った。彼はこの場合、懐手をして二人の折衝を傍観する
居心地の悪い立場にあった。その代わり、彼は生まれてはじめて、父が商売上のかけひき....
「やんちゃオートバイ」より 著者:木内高音
分たちのそばで可愛らしいラッパのいびきをかいている小さな自動車のことを考えると、
居心地のいい車庫にはいてもちっとも、しあわせだとは思えないのでした。 ある日、....
「見えざる敵」より 著者:海野十三
はじめて彼のうしろの壁から人の声が聞えてきた。 「悪漢ウルスキーよ。その硝子函の
居心地はどうじゃネ」 「あッ、――」とウルランド氏は顔色をかえた。それは正に、例....
「小公女」より 著者:菊池寛
初めて父と辻馬車を走らせた時のようでした。そんな日には、あの大屋敷の窓は、殊にも
居心地よさそうに見えました。印度紳士のいる書斎は、いかにも温かそうでした。それに....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
かえってまだ碌に監獄っ気の抜けないうちに来たのだから、万事に馴れていて、はなはだ
居心地がいい。飯も初めから十分に食える。ただ寒いのには閉口するが、これとても火の....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
屋があり、そこから二階へ行く狭い階段がある。上って行くと、こぢんまりした一室が、
居心地よく装飾され、スプリングの心地よいソファ・ベッドや、三面鏡や、簡単な衣裳箪....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
ジョン・ヒンクマン氏の田園住宅は、いろいろの理由から僕にとっては甚だ愉快な場所で、やや無遠慮ではあるが、まことに
居心地のよい接待ぶりの寓居であった。庭には綺麗に刈り込んだ芝原と、塔のように突っ....
「怪獣」より 著者:岡本綺堂
に、旅館とはいいながら大きい屋敷にでも住んでいるような感じで、まことに落ちついた
居心地のいい家でした。老主人夫婦も若主人夫婦も正直な好人物で、親切に出這入りの世....
「四月馬鹿」より 著者:織田作之助
記者がぞくぞくと詰めかけて来て、八畳の部屋が坐る場所もないくらいになった。彼等は
居心地が良いのか、あるいは居坐りで原稿を取るつもりか、それとも武田さんの傍で時間....
「変身」より 著者:カフカフランツ
が少し抑えつけられるし、頭をもうもたげることができないにもかかわらず、すぐひどく
居心地がよいように思われた。ただ、身体の幅が広すぎて、ソファの下にすっぽり入るこ....
「ここが楢山」より 著者:小津安二郎
にゆき、残った母と僕との生活が始まってもう二十年以上になる。 一人者の僕の処が
居心地がいいのか、まだまだ僕から目が放せないのか、それは分らないが、とにかく、の....