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居留守
「居留守〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
居留守の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「女百貨店」より 著者:吉行エイスケ
」 ミサコは歳入のたらない夫の沈黙からはなれると、階下に彼女をおとずれた人々に
居留守をつかって裏口から銀座にあらわれた。 7 太田ミサコにとって市....
「M侯爵と写真師」より 著者:菊池寛
残念でもあり、心細く思いました。が、杉浦からかねがねきいているので、玄関払いとか
居留守などを使われる心配がないと思いましたから、非常に安易な心持で出かけたのです....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、お取次を申すこともできなかんべエ」 と与八が言いました。 「怪《け》しからん、
居留守をつかって、逃げると見える――」 七人の異体の知れぬ豪傑たちは、一様に肩....
「或る作家の厄日」より 著者:豊島与志雄
仕事があるからとの口実で、誰が来ても玄関で立ち話だけにし、いよいよ彼女が来たら、
居留守をつかって誰にも逢わないことにする。あとは、二人きりの時間であり、二人きり....
「小さな山羊の記録」より 著者:坂口安吾
できるという乱脈さには、日々不快な思いを重ねた。 私は一切の面会を拒絶したが、
居留守を使う不快に堪えがたくて、できるだけ、旅行にでた。旅にでれば、気分が変って....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
返答をしていいのか、と迷っているのだ。礼子は京都の長平を三度訪ねてきたが、いつも
居留守を使って会わなかった。そんなことも、どこまで答えていいか分らない。自分に後....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
左衛門殿と、並び称されている逸見殿でござれば、よもや秋山要介の名に、聞き臆じして
居留守を使われるような、そのようなこともござるまいが、ちと受取れぬ仕儀でござるな....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
言え」 上框のほうでは、その声を聞きつけて、 「そういう声は阿古十郎さん。……
居留守をつかおうたって駄目です、ここまで筒ぬけですよ」 顎十郎は、額へ手をやっ....
「城」より 著者:カフカフランツ
にいたんですわ。そして、あなたのことをたずねていく者がいると、あの子たちによって
居留守を使わせる始末です。むきになって、あなたはいない、っていわせるんですわ、し....
「審判」より 著者:カフカフランツ
るいはまた、こんなに低くノックするのはKにちがいないと気づいて、ただその理由から
居留守をつかっているのだろうか? Kは、彼女が
居留守をつかっているのだ、と考え、....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
ない顔を、じっと、式台に立ちはだかっている北条新蔵へ向け合っているのだった。 「
居留守をつかうとは何事をほざくか。そちのような見知らぬ老いぼれに、父が
居留守をつ....
「俗臭」より 著者:織田作之助
待したのではない。船司は、ちかごろ、同郷の縁を頼りに、児子家に勧誘に来た男だが、
居留守を使われると、「では、一寸新聞を拝借」と一枚の新聞紙を何時間もかゝって読み....